植物由来の糸で編んだ洗える抗菌マスク「Bio Face Lite」の受注を開始

石灰石を主原料とし、水や木材パルプをほぼ使用せず紙の代替や、石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売するTBMと、高機能なバイオプラスチックの改質剤を開発するBioworksが、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的なマスク不足の問題解決に貢献すべく、「Bio Face Lite(バイオフェイスライト)」の先行受注を開始した。

「Bio Face Lite」は、先日発表した「Bio Face」と同様に、植物由来のポリ乳酸の糸で製造されており、洗って繰り返し使用が可能。ポリ乳酸の環境性能、生体適合性に加えて、人の肌と同じ弱酸性で、抗菌性、付け心地の良さなど実用的な機能性を兼ね備えており、よりリーズナブルな価格で提供することができる。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で需要が高まっているマスクの多くは、石油由来プラスチック(ポリプロピレンなど)でつくられている、使い捨てのプラスチック製品。日本国内で家庭用マスクに使用される石油由来プラスチックの量は年間で約1万トンにのぼるとも考えられる(2018年の日本国内家庭用マスク生産量42億8400万枚、うち9割以上が不織布製*1との統計に基づきTBM推計)。このプラスチック量は、国内のボールペン用や漁網用とほぼ同量の使用量*2、またEUで年間に消費されるストロー用の使用量*3の約半分に相当する。

一方、マスクの消費が拡大するにつれて、浜辺に漂着した使用済みのマスクが確認されるなど、適切なマスクの処分が求められている*4。現在、世界保健機関(WHO)によってパンデミック(感染症の世界的流行)と宣言され、700万人以上の感染者、40万人以上の命が奪われたことが報告されている(2020年6月10日現在)*5。欧州やアジアでは外出規制の緩和が始まり、感染リスクと向き合う新たな生活様式が提唱される一方で、感染拡大の動きは南米やアフリカへと移りつつある。

長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界各地でマスク不足の状況が続いており、特に途上国の貧困層の一般市民の日常生活や健康に影響が及んでいる。

*1 日本衛生材料工業連合会 ホームページ(2020年4月20日参照)
*2 三菱総合研究所(2011年)経済産業省委託調査 最終製品出荷断面における品目別プラスチック使用量推計(品目別詳細表)
*3 Seas at Risk(2017)”Single-use Plastics and the Marine Environment”を基にTBM推計
*4 Reuters(2020)”Discarded coronavirus masks clutter Hong Kong’s beaches, trails”
*5 WHO Coronavirus Disease(COVID-19)Dashboard

植物由来の洗える抗菌マスク「Bio Face Lite」


TBMとバイオワークスは、2020年4月に発表した、植物由来の糸で編んだ、洗える抗菌マスク「Bio Face」のシリーズ商品として、より手頃な価格を実現した「Bio Face Lite」を発表した。

今後、TBMとバイオワークスは、製品の企画・販売をするパートナー企業・団体を募集し、立体的な編み上げでプレミアムな着け心地を追求している従来の「Bio Face」と合わせて、新型コロナウイルスの感染者が拡大している国やマスクが行き届いていない途上国の政府機関や企業などへ「Bio Face」シリーズの展開を進めていく。
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PR TIMESより

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