無観客試合のマイナスイメージを払拭 新名称は「リモートマッチ」に

会見には川淵三郎会長に加え、10競技12リーグの代表者が集まり、新名称を書いた紙を掲げた


また会見では、「リモートマッチ」にあわせて略称「リモマ」やリモート+サポーターの意味を持つ「リモーター」という言葉も積極的に使っていってほしいという提案もあった。


略称は「リモマ」。またリモートで応援するファンのことは「リモーター」と呼ぶ

観戦方法も多様化 自宅から声援を届ける新技術も


新名称募集に用いられた「 #無観客試合を変えよう 」のハッシュタグは、ツイッターでトレンド入りするなど、数多くのスポーツファンから注目を集めていた。選考にはコピーライターなどプロフェッショナルの意見も取り入れられたという。

残念ながら採用されなかった候補には、「ステイホームマッチ」「リモートエール」「ソーシャルサポーターズ」など、コロナ禍において流行した言葉を取り入れたアイデアから、「無観客」をもじった「夢感客」など、様々な視点から応募が寄せられていた。

今回の応募に伴い、名称変更にはサッカー界からも賛同の声が上がっていた。トルコのスュペル・リグ・ガラタサライSK所属の長友佑都選手は「アスリートはファンの皆さんからの応援を力に変えてます。観戦方法は色んな形があるし、無観客という言葉をもっとポジティブにしたい。どんな候補が出てくるのか楽しみです」とツイッターに投稿し、「無観客試合」というネガティブなイメージを払拭する新名称への期待を表明していた。

今日、テクノロジーの発展によってスポーツの観戦方法は広がりを見せており、自宅などで中継を見ながら現場に声援を届ける新技術「リモート応援システム」の実証実験もすでに行われている。ジュビロ磐田のスポンサーのヤマハが開発した『Remote Cheerer powered by SoundUD』は、専用アプリで「歓声」や「拍手」のボタンを押すと、競技場に設置されたスピーカーから音が流れる仕組みだ。実験が行なわれた6月13日のJ2磐田とJ3沼津の練習試合では、ゴール後にひときわ大きい歓声が響いた。

JリーグはJ2、J3の6月27日の開幕を受け、J1も7月4日には「リモートマッチ」でスタートする予定だ。新型コロナに関しては第2波への懸念も含め未だ気が抜けない状況ではあるが、スポーツイベントの復興を楽しみにしていた人々も多く、今後のポジティブな展開に期待していきたい。

文=渡邊雄介

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