過去10年間の学術研究からは、誰かを右側にスワイプして相手が恋愛候補になるかどうかを決める際には人種に関する偏見が影響を与えていることが示された。これは意外ではないことだ。
学術誌の「大衆メディア文化の心理学(Psychology of Popular Media Culture)」に2014年に掲載された研究では、白人の出会い系アプリユーザーのうち、80%は白人ユーザーのみにメッセージを送っていたが、白人ユーザーが送ったメッセージのうち黒人ユーザーに送られたものは全体のわずか3%であることが示された。一方、黒人ユーザーが白人ユーザーにメッセージを送る確率は、白人ユーザーが黒人ユーザーにメッセージを送る確率の約10倍だった。
さらに、25の出会い系アプリを調査した2018年のコーネル大学の研究者らによる調査では、こうしたアプリに人種が本質的に密接な関わりを持っていることが示された。ユーザーが自分の人種を明らかにすることを求められていたアプリはこのうち19で、11のアプリはユーザーのえり分け傾向からユーザーが好む人種を特定するようになっていた。