テイラー・スウィフト、「人種差別主義者」の胸像撤去を要求

Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Netfilx

米国テネシー州の議会では、白人至上主義団体、KKK(クー・クラックス・クラン)の創設者の胸像を、州議会の議事堂から撤去するか否かを巡り論争が起きている。

少女時代をテネシー州ナッシュビルで過ごしたテイラー・スウィフトは6月12日、この胸像を排除することを求め、「人々がこれらの記念碑の存続のために戦い続けることがどれほど有害かを考えるべきだ」と述べた。

ジョージ・フロイドの死を受けて発生した抗議デモにより、米国の各地では、南北戦争当時に奴隷制度の存続を主張した人物らの記念像を取り壊す動きが起きている。テネシー州では、白人至上主義の新聞編集者エドワード・カーマックの像が取り壊された後、KKKの創設者で、南軍の将校だったネイサン・ベッドフォード・フォレストの胸像を残すかどうかで、民主・共和党の議員らが対立を深めている。

スウィフトは12日、ツイッターに投稿した長文で、南軍将校のフォレストが残忍な奴隷商人で、数十人にも及ぶ黒人兵士を虐殺した人物だと主張した。

テネシー州は7月13日を、ネイサン・ベッドフォード・フォレスト記念日と定めているが、民主党はこれを廃止するよう求めている。しかし、共和党のビル・リー州知事や現地の共和党議員らは記念日の存続を支持している。

スウィフトはさらに、先日のデモで倒された白人至上主義の新聞編集者エドワード・カーマックの像を完全に撤去するよう求めている。カーマックは、黒人の地位向上を目指した女性アイダ・B・ウェルズのオフィスを焼き討ちさせたことで知られている。

幼少期をナッシュビルで過ごした女優のリース・ウィザースプーンも、フォレストの胸像を撤去するよう求めている。

「胸像を撤去したからといって、数百年も続いた黒人に対する組織的な抑圧や差別の歴史を消し去れる訳ではない。しかし、このことが、すべてのテネシーの人々やそこを訪れる人々に、小さな一歩をもたらすことになる」とスウィフトは述べた。

スウィフトは、2016年の米国大統領選挙当時は沈黙を守っていたが、ここ数年で政治的スタンスを明確にするようになった。2018年の中間選挙では、彼女はファンに対し民主党候補者に投票するよう呼びかけた。スウィフトはその後、LGBTQ問題についてもオープンに話すようになり、Black Lives Matterムーブメントへのドナルド・トランプ大統領の対応を強く非難している。

ジョージ・フロイドの死を受けて発生し、全米に拡大した抗議活動の参加者らは各地で、南北戦争当時の南部連合の指導者や、人種差別主義者のモニュメントを取り壊している。

5月25日、ミネアポリスで武器を持たない黒人男性のジョージ・フロイドが白人警官の暴力によって亡くなって以降、全米の著名なCEOやポップカルチャーのリーダーらが、抗議の声をあげ続けている。

編集=上田裕資

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