米抗議デモでDL数急増のアプリ「シチズン」の謎めいた実態

シチズンの創業者アンドリュー・フレーム(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)


「収益源」は明らかにされていない


シチズンには38人のアナリストが在籍しており、3人1組で8時間勤務することで24時間対応している。AIソフトウェアの導入により、通常であれば1名のアナリストが複数の都市をカバーすることが可能だという。

シチズンの収益源は明らかになっていない。アプリは無料で利用でき、広告掲載はない。また、ユーザーデータを外部に販売することもしていない。

「個人データを販売することで収益を上げたり、ビジネスを構築することは絶対にしない。我々の事業はユーザーを保護するために作ったものであり、保護対象にはプライバシーも含まれる」とフレームは語っている。

同社の関係者によると、シチズンは大学や空港、スタジアムなど多くの人が集まる場所で、警察などがユーザーに避難指示を出したり、誤警報の後に群衆を鎮めるメッセージを送信できるサービスを提供しており、そこから収益を上げているという。

今後は、ユーザーが不審者や不審物を見つけた場合に、警察に報告するサービスの提供も考えられる。

ニューヨーク市警察の前コミッショナーであるBill Brattonは、警察に位置情報や行動習慣を把握されたくない人は、警察が提供するアプリを絶対にダウンロードしないと指摘する。彼は、シチズンであれば緊急情報を迅速かつ効率的に多くの人に配信するパワフルなツールになり得ると期待を寄せている。

編集=上田裕資

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