米国大統領選は「コロナの再拡大」の中で実施へ、米大学予測

Photo by Sandy Huffaker/Getty Images

米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)のモデル分析に基づいた予測によると、米国における新型コロナウイルスによる死者数は、6月から7月にかけて減少するが、8月には横ばいになった後、9月から10月にかけて再び上昇に転じるという。

IHMEのAI(人工知能)を用いたモデル分析の予測データは、米国のホワイトハウスの会見でも度々とりあげられるものだが、10月1日までの累計死者数は16万9890人に達するとされた。11月の米国大統領選挙は、感染の再拡大の中で実施される可能性もある。

1日あたりの死者数はピーク時の4月15日には2278人だったが、現在は700人から800人の水準で推移しており、9月17日には650人程度になる見通しだ。

しかし、米国では現在、警察の暴力に対する抗議デモが続き、人々が密集して過ごす場面も増えている。公衆衛生の専門家はCNNの取材に対し、新型コロナウイルスによる死者は9月に現在の2倍近くまで増加する懸念があると述べた。

IHMEのChristopher Murray博士はCNNの取材に「9月までに感染封じ込め策を講じない場合、10月と11月以降の状況がさらに悪化する恐れもある」と述べた。

米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、米国内で確認された新型コロナウイルスの感染者数は、6月11日の時点で累計200万人を突破した。また、死者数は約11万3000人に達している。

感染者数はモンタナやハワイ、アラスカを含む14州で増加傾向にある。アリゾナ州ではICUのキャパシティがほぼ上限に達する中、新規感染者数が5月15の規制の緩和以降に、115%の上昇となった。

アリゾナ州立大学の疫学教授のKacey ErnstはABCニュースの取材に「現在は検査結果の判明まで1週間以上もかかる状態だ。このため、実際の感染者数は、報道されているよりもずっと多い可能性がある」と述べた。

編集=上田裕資

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