I cover crime, privacy and security in digital and physical forms.

マイクロソフト プレジデントのブラッド・スミス(Photo by Riccardo Savi/Getty Images for Concordia Summit)

米国の黒人コミュニティから始まった警察の暴力を糾弾する抗議デモは、米国だけでなく世界の大都市を巻き込む規模に拡大した。これを受け、テック企業の間では警察へのテクノロジー協力を停止する動きが起きている。

IBMは6月8日、警察への顔認識テクノロジーの提供中止を発表したが、アマゾンも10日、顔認識技術 「レコグニション」の警察による使用を1年間停止すると発表した。そして、マイクロソフトも11日、同様の措置に乗り出した。

マイクロソフトのプレジデントのブラッド・スミスは11日のワシントン・ポストのイベントで、警察への顔認識テクノロジーの販売を、適切な法律が整備されるまでの間、停止すると宣言した。

「当社は、このテクノロジーを規制するための、人権への配慮に則った適切な法律が制定されるまでの間、顔認識技術の米国の警察への販売を停止する。マイクロソフトはこのテクノロジーが活用される際に、人権が守られていることが必要だと考える」と、スミスは話した。

マイクロソフトは警察に顔認識技術を提供しているとして、人権団体のACLUや電子フロンティア財団(EFF)から非難されていた。ただし、同社が警察への監視テクノロジーの提供で、どれほどの収益を得ていたのかは、開示されていない。

スミスは、マイクロソフトが警察に顔認識テクノロジーを販売した事実は無いと述べている。彼は、同社が今後、この技術の乱用を防ぐためのレビュープロセスを改善していくとも述べた。

米国の大手テック企業らは相次いで、顔認識技術の警察への提供の中止を宣言したが、彼らがどれほどの規模でオペレーションを縮小するのかも、明確になっていない。例としてあげると、アマゾン傘下のスマート監視カメラ企業のAmazon Ringは、警察への販売を中止するとは述べていない。

さらに、米国の合衆国移民・関税執行局(ICE)や合衆国税関・国境警備局(CBP)は、顔認識技術を用いて、警察による抗議活動の監視を支援しているが、彼らのオペレーションが中止の対象に含まれるのかどうかも、現時点は不明だ。

また、別のグループは米国に限らず全ての国において、顔認識技術の利用がただちに禁止されるべきだと述べている。人権団体のアムネスティは、顔認識テクノロジーを用いた集団監視システムが、「警察による人権侵害を悪化させ、平和的な抗議活動やプライバシーを脅かす懸念がある」として、違法化されるべきだと述べている。

編集=上田裕資

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