ビジネス

2020.08.09

「スマートニュース」。最初の名前は、『ニュースどうぞ』だった

Getty Images


いまは、スマートフォンではアプリをダウンロードするサービスが中心だが、当時はウェブで見る(ウェブブラウザ)タイプも多くあり、どちらが優勢になるか判断が難しい状況だった。

鈴木は「ウェブには一切手をつけるべきではない」と言い張り、浜本は「どう考えてもウェブがあったほうがいい」とこだわる。ついに鈴木は「シンプルにアプリだけでいい。ウェブはダメだ」と怒り出してしまった。

名前は「ニュースどうぞ」に決まった。しかし──


ネーミングもなかなか決まらなかった。ドクターニュース、トップニュース、ポケットニュース、ニュースデスク、どこでもニュース……毎日のように候補が入れ替わる。一度は、ニュースを伝えることから「ニュースどうぞ」に決まり、準備が進んでいたが、調査の結果、ビジネスパーソンの反応が悪く見直しとなった。「ニュースどうぞ」で用意していたアイコン100種類はお蔵入りになった。

機能も簡単には決まらなかった。新聞を参考に、朝刊、夕刊という機能を用意していたが、これもユーザー調査で難しすぎるとの声が出たため廃止された。3日徹夜してつくって「これダメ」でおしまい、というときもあり、飲み屋で朝まで、機能、デザイン、名前をギリギリまで調整し続けた。

徹底的にこだわりぬいたスマートニュースの公開後の反応は、凄まじいものがあった。クロウズネストのユーザーは半年間で数万人だったが、スマートニュースはそれを1日のダウンロード数で超え、Appleストアのアプリランキング4位にいきなりランクインした──。

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