ビデオ会議分野ではZoomやマイクロソフトのTeamsなどが、市場の覇権を争い、機能を向上させてきた。このカテゴリにおいては、画面の共有やホワイトボード、バーチャル背景設定などの様々な進化がもたらされているが、これまでのイノベーションの中心は画面が中心になっていたといえる。
そんな中、マイクロソフトは4月にTeamsにノイズ除去機能を追加すると宣言したが、グーグルも独自のアプローチでGoogle Meetにノイズキャンセリング機能を追加した。
今回のアップデートで、Google Meetはキーボードのノイズの除去に対応したほか、夏の季節に需要が高まるデスクトップ上の小型ファン(扇風機)のサウンドを抑えることも可能にした。
グーグルはCloud De-Noiserと呼ばれる仕組みを開発し、マシンラーニングで余計なノイズを除去しつつ、人間の声をはっきり聞こえるようにする機能を実現した。同社のG Suite部門でプロダクトマネージャーを務めるSerge Lachapelleはデモ映像を作成し、Venture Beatのアカウントからユーチューブに公開している。
Lachapelleが作成した「Google Meet’s noise cancellation feature in action」と題された動画を視聴すると、その機能がいかに優れているかを実感できる。
なかでも印象深いのがポテトチップスの袋のガサガサする音が、Google Meet上で完全に消されてしまう場面だ。Lachapelleは袋をガサガサさせながら話すが、ノイズキャンセリングをオンにすると、ノイズが完全に消え、彼の声だけがはっきりと聞き取れるのだ。
さらにペンをカチカチとさせる音や、グラスをかき混ぜる音なども見事に消えている。また、犬の鳴き声や子どもの泣き声なども消せるという。
Lachapelleによると、彼のチームはスウェーデンと米国のオフィス間でミーティングを重ねる中で、ノイズキャンセリングの重要性に気づき、約1年半をかけてテクノロジーを磨いてきたという。
この機能が追加されるのは現状ではウェブ版のG Suiteのみだが、今後はiOSやAndroidにも対応予定という。