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4月、スウェーデン中部エステルスンド市内でランチをとる家族(Getty Images)

「都市封鎖せず」と独自路線のソフト対策を貫いたスウェーデンの新型コロナウイルス対応は、継続して世界な話題であり続けた。しかし、同国の「部分的ロックダウン」の真実、その実態とはいったいどんなものなのだったのか? スウェーデンの新型コロナ対策は「正解」だったのか?

スウェーデン・カロリンスカ大学病院・泌尿器外科勤務の医師で日本泌尿器科学会専門医、および、スウェーデン泌尿器科専門医の宮川絢子博士(スウェーデン移住は2007年)に、死者数を増加させた本当の原因、メディアの功罪などについて、病床の実態やデータにも基づき以下、ご寄稿いただいた。

関連記事:スウェーデン新型コロナ「ソフト対策」の実態。現地の日本人医師はこう例証する


日本では緊急事態宣言が5月25日に解除されたが、スウェーデンでは変わらずソーシャル・デイスタンス、50名以上の集会禁止などが継続して行われているものの、市民はほぼ通常通りの生活をしている。健康な高齢者が外出することも許されるようになり、スウェーデン国内の旅行も解禁になった。

データで見るスウェーデンコロナ対策の実態


スウェーデンの新型コロナウイルス感染による死者は5月25日に四千人を超え、同月、人口あたりの死者が世界で最も多い週があったことから、ロックダウンをしないスウェーデンの政策に対する国際的な批判が高まった。


図1:ourworldindata.orgのデータより

人口10万人あたりの死者数は、北欧諸国の中では突出してはいるものの、ロックダウンをした他のヨーロッパ諸国の中では6月1日時点で6番目に多い値であり(図1:ourworldindata.orgのデータより筆者作成)、ロックダウンの是非に対する判断はいまだに不透明と言えよう。


図2:www.folkhalsomyndigheten.seより

スウェーデン国内における感染者および重症者、死亡者の発生状況は、4月中旬をピークに減少してきている。(図2:www.folkhalsomyndigheten.seより)

最も感染者が多かったストックホルムは?



図3:カロリンスカ大学病院内部データ

ストックホルムはスウェーデンの中でも最も多くの感染者が出ているが、ストックホルムの感染者で入院治療が必要な患者の40%ほどを治療しているのが、私の勤務しているカロリンスカ大学病院である。複数の一般病棟がCOVID-19専用病棟に変わり、通常の5倍程度、およそ200床となったICUが満床になることはなかったが、4月中は100名以上を収容し、5月上旬に100名を切ってから順調に減少、現在は50名程度がICU治療を受けている。入院治療はおよそ200名程度で、足踏み状態である(図3:カロリンスカ大学病院内部データ)。


図4:カロリンスカ大学病院内部データ

死亡退院も4月中旬では10名を超えることもあったが、その後減少してきている(図4:カロリンスカ大学病院内部データ)。

文=宮川絢子

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