ビジネス

2020.08.30

米で進む脱ミート「フレキシタリアン」と植物由来食品のへの絶大な支持

見た目が肉にしか見えないミートレス・ミートは米で多くの支持がある。


なぜフレキシタリアンが増えてるのか


フレキシタリアンが増えているのは2つの理由がある。

1.もともとは、自分の健康や地球環境のため(コロナ拡大でこの意識は加速)
2.今では、プラントベース食品の味も進化していて、味も選ばれる理由になっているため

中高年を中心に、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸のさらなる摂取を控え、より繊維質の多いプラントベース食品を取り入れる人が増えている。また、ミレニアル世代(25-39歳)やGenZ世代(8-24歳)では、社会的問題への危機意識から、ライフスタイルを選択する人も多い。

地球全体の人口増加に対して、動物性たんぱく質の供給が追い付かなくなると予想されていることや、食品の生産過程について描いた「Food Inc.」というドキュメンタリー映画が議論を巻き起こしたように、あらゆる情報にアクセスしやすくなった現代において、動物性食品の生産過程に対する消費者の嫌悪感は一層高まっている。

こうした中、生きた動物を販売する中国の市場で人間に感染したのが最初と言われている新型コロナウイルスが蔓延したことで、人間が食物として動物に依存することを問題視する風潮は強まっている。

動物愛護的な観点だけではなく、その加工過程で働く人々の健康リスクの管理といった公衆衛生的な問題意識の高まりも、人々がプラントベース食品を選ぶことの追い風となっているのだ。

プラントベース食品は「味」でも選ばれている


こうした理由に加え、今では52%もの人が、プラントベース食品を選ぶ理由に「味」も挙げたと報告されている。

筆者もそうであったが、「代替食品って確かに動物性原料を使っていないが、その分味は動物性食品より劣るのでは?」というイメージを持ってしまう方も多いだろう。しかし、最新の プラントベース食品の味は、ここまで進化しているのだ。

注目のプラントベース食品ブランド3選


現在、Plant Based Foods Associationには、170社のプラントベース食品関連企業が登録されており、「むしろ動物性食品よりこのプラントベース食品が食べたい!」と思う魅力的な商品が日々開発されている。その中でも特に注目なのが以下の通りだ。

1.gardein: ミートレス・ミートシリーズ


公式Instagramより

こうした新しいタイプの商品はスタートアップ企業発のイメージが強いかもしれないが、こちらは米大手食品メーカーのコナグラ・ブランズ傘下にあるgardeinが作るプラントベース食品だ。肉に限らず、魚の代替食品もラインナップしている。

食品や日配品を注文できるAmazonフレッシュでもその知名度や人気は高く、Beyondブランドにも引けを取らない商品だ。

こちらのシリーズの売り上げは、2020年3月13日から4月19日に前年同期比で65%増加したと報告されており、その需要が高まっていることが分かる。

ところで皆さんは『ミートレス・マンデー』という言葉をご存じだろうか?自分自身と地球の健康のために、読んで字の如く、月曜日は肉を食べないようにしよう、というプロジェクトである。

2003年にジョンズ・ホプキンス大学などが主導して発足したプロジェクトであるが、gardeinのホームページでも詳しく発信されている。


gardein公式HPより

例えば、肉を食べないことで制限できるエネルギーをインフォグラフィックで見せている。(真偽は置いておくとしても、)「1週間に食べるハンバーガーを1つ減らすと、車の使用を500km強(320マイル)控えたことになる」など、生じるインパクトは思った以上に大きく、それならもっと肉を控えようかな、という前向きな気持ちにならないだろうか。

このように、味や食感を動物性の食品に近づける努力だけではなく、一個人の行動にも大きな意味がある、ということをしっかりと啓蒙していることも、この商品が選ばれている理由なのかもしれない。
次ページ > カシューナッツのミルク由来の乳製品代替食品も

文=btrax staff

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事