10月に延期の米音楽フェス「コーチェラ」が中止、第2波を警戒

コーチェラ・フェスティバル(Photo by Kevin Mazur / Getty Images)

コーチェラ・フェスティバル(Photo by Kevin Mazur / Getty Images)

米国の各州がパンデミックの発生後の外出制限を緩和し、経済活動の再開を進める中で、21の州で、新規の感染者の数が急増している。これを受けて、秋に延期されていた大規模な音楽イベントの中止が決定された。

米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、米国内で確認された新型コロナウイルスの感染者数は、6月11日の時点で累計200万人を突破した。また、死者数は11万3000人に達している。

ニューヨーク州では新規の感染者が減少傾向にあるが、カリフォルニア州では6月5日、過去最大となる3600人の新規感染者が確認された。感染者が増えた背景には、検査体制を強化したこともあげられるが、外出制限の緩和が感染拡大の再発を招いたという指摘もある。

カリフォルニア州の当局は、秋の「第2波」の到来に対する懸念を高めており、世界最大規模の音楽イベントとして知られる「コーチェラ・フェスティバル」及び、カントリーミュージックの祭典の「ステージコーチフェスティバル」の中止を宣言した。

この2つのイベントは毎年、世界から数十万人の観客が集う大規模なもので、当初は10月に延期されていた。キャンセルの発表にあたり、カリフォルニア州リバーサイド郡の公衆衛生を統括するCameron Kaiser博士は「様々なデータによって秋に新型コロナウイルスの状況が悪化する可能性が示された」と述べ、イベントを開催すべきではないと話した。

カリフォルニア州で定められた経済再開に向けての4つのステップで、コンサートや音楽フェスティバルの開催は、新型コロナウイルスのワクチンが完成した後とされている。

一方で、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士を含む専門家たちは、今年の秋に感染拡大が再発する可能性を指摘している。ただし、ファウチ博士は米国が秋までに適切な準備体制を整える見込みだと述べていた。

米国において初の感染者が確認されたのは1月20日で、感染者が100万人を超えたのは4月28日だった。

編集=上田裕資

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