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Photo by Sean Gallup/Getty Images

ドイツでは、すべてのガソリンスタンドに電気自動車(EV)の充電スポットの設置が義務付けられることになった。EVの充電に関する懸念を解消し、消費者の需要を喚起することを目的としたこの施策は、ドイツ政府による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの経済再生計画の一環として実施される。

ヨーロッパ随一の経済大国であるドイツは、深刻な不況の回避に向けて、景気刺激策を1300億ユーロ(約15兆8400億円)規模にまで拡大することを表明した。広範な分野にわたるこの刺激策の1つとして導入されるのが、大規模なEV需要促進策だ。

ドイツ政府はまた、EVの購入補助金を1台あたり6000ユーロ(約73万円)まで増額する方針も明らかにした。これによりドイツは、バッテリー式EVの購入補助に関して、ヨーロッパ市場で最も手厚い国の仲間入りをした。これまでの補助金は、今回新たに設定される金額の半額だった。

2019年の1年間で見ると、EVがドイツの乗用車新規登録台数に占めた割合は2%にも満たなかった。主流を占めるのはガソリン車で、市場シェアは60%近くに達していた。

ドイツ政府が発表した今回の景気刺激策ではさらに、電池の生産ならびに充電インフラの研究開発に関しても、25億ユーロ(約3046億円)の助成金が交付される予定だ。

ドイツ連邦交通・デジタルインフラ省(BMVI)の報道官は、今回の施策は、アンゲラ・メルケル首相が掲げた「2030年にまでにドイツ全土に100万か所のEV充電スポットを設ける」という目標を受けたものだと指摘し、「当然の流れだ」と述べている。

ドイツ連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)が最近実施した分析では、ドイツの一般市場でEVを広く普及させるためには、少なくとも7万か所の充電スポットと、7000か所の急速充電ステーションが必要になると結論付けている。

これに対し、2020年3月時点での充電スポット数は2万7730か所にすぎない点をBDEWの分析は指摘している。この数字は、多くの人が電気自動車の購入をためらう理由となっている「走行距離に関する不安」を払拭する上でドイツが直面する課題がいかに大きいかを示している。

今回のドイツの方針発表以前から、ヨーロッパの他の国々では、同様のEV導入推進策が実施されている。なかでもノルウェーは、最も野心的な補助金および販売支援策を掲げる国として、広く知られている。

EV向けのサービスを提供する業者も、より幅広い分野からの参入が急速に進んでいる。こうした事業者の例としては、ABBのような機械メーカーのほか、アウディやフォルクスワーゲン、トヨタや日産、テスラなどの自動車メーカー、さらには、ロイヤルダッチシェルなどの石油やガスの大手企業、ヨーロッパを拠点とするいくつかの公益事業会社などが挙げられる。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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