経済・社会

2020.06.13 16:30

米民主党の副大統領候補は誰に? 条件は「女性・バイデンの後継者」

ジョー・バイデンとバラク・オバマ(Photo by Samir Hussein/Samir Hussein/WireImage)

米大統領選の民主党の候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領は11月の選挙に向け、ともに闘う副大統領候補の選考を進めている。すでに組織されたチームが候補者たちのインタビューを行い、審査が始まっている候補もいる。

バイデンは今年3月に行った討論会のなかで、「自身が大統領候補となれば、副大統領候補は女性から選ぶ」と公約。それまで名前が挙がっていたバーニー・サンダース上院議員や、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事を候補に含めないことを明言した。

バイデンはまた、副大統領候補とする人は自身の後を引き継ぎ、大統領になる準備ができている人を選びたいと述べている。民主党支持者を対象とした世論調査の結果でも、その準備ができている人が候補にふさわしいと考える人が多数を占めている。

最優力候補とみられているのは、バイデンとともに候補指名を争ったマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員と、カリフォルニア州選出のカマラ・ハリス上院議員だ。

そのほか、2018年のジョージア州知事選で善戦した元州議会議員、ステイシー・エイブラムスも、公然と副大統領候補に名乗りを上げていることから、メディアの注目を集めている。

副大統領候補に選ばれる可能性があるとみられるその他の女性たちの顔ぶれは、以下のとおり。

・イリノイ州選出、タミー・ダックワース上院議員

ダックワース議員はタイ系米国人。イラク戦争に従軍、搭乗していたヘリコプターが撃墜されたことで両足を失った退役軍人だ。

・ニューメキシコ州のミシェル・ルーハン・グリシャム知事

元下院議員のミシェル・ルーハン・グリシャムは、2018年に同州知事に就任した。選ばれれば、米国初のヒスパニック系の副大統領候補となる。

・ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事

2018年に知事に就任したホイットマーは、すでにバイデン陣営と協議していることを自ら明らかにしている。知事は3月、新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関に必要な物資が連邦政府の機関に優先的に分配されており、一部の州が不足に苦しんでいると指摘。トランプ大統領から猛攻撃を受けた。

・フロリダ州選出のバル・デミングス下院議員

オーランド市の警察署長だったデミングス下院議員は、ウクライナ疑惑を巡るトランプ大統領の弾劾裁判で、検察官役となる民主党の6人の「弾劾管理人」のひとりとなった。候補となっていることは、自ら認めている。

・ニューハンプシャー州選出のマギー・ハッサン上院議員

ラジオ局WMURによると、ニューハンプシャー州知事も務めたハッサン議員も、候補のひとり。

・ミネソタ州選出のエイミー・クロブシャー上院議員

大統領選の候補者指名争いでも健闘したクロブシャー議員は、実利的な中道派として知られている。再出馬するごとに地滑り的勝利を収めてきた。だが、ヘネピン郡地方検事だったころに裁判を担当した黒人男性を巡る問題が浮上している。

・アトランタ市のケイシャ・ボトムス市長

政治ニュースサイト、ポリティコによれば、ボトムス市長についても審査が行われている。市長は5月末に起きた白人警官による暴力で黒人男性ジョージ・フロイドが死亡した事件を受けて抗議活動が拡大するなか、暴徒化したデモ参加者に帰宅を呼び掛けたスピーチで、大きく注目を集めた。

CNNのアナリスト、エイプリル・ライアンによれば、スーザン・ライス元国連大使についても審査が進められているという。水面下ではすでに数々の利益団体が、ヒスパニック系、またはアフリカ系の候補に対するバイデンの支持を得ようと、競い合っている。

編集=木内涼子

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