米CDCが注意喚起、ウイルス感染防止に多い漂白剤等の誤用

Photo by Alexi Rosenfeld/Getty Images

米国に住む成人500人以上を対象に実施した調査から、驚くほど多くの人々が、漂白剤や消毒薬、掃除用洗剤を安全ではない方法で使用して、新型コロナウイルスへの感染を防止しようとしていることが明らかになった。

米疾病予防管理センター(CDC)が2020年6月5日に発表した調査報告書によると、調査に参加した成人のおよそ3人に1人が、感染防止の目的で、化学薬品や消毒薬を安全ではない方法で使用していたのだ。

危険度の高い使用方法としては、果物や野菜を漂白剤で「洗浄」すること、家庭用洗剤や消毒薬を肌に直接つけたり、吸い込んだり、摂取したりすること、洗剤や消毒薬でうがいすることなどがあった。

CDCの報告書には、「そういった使用法は、体の組織を損傷したり破壊したりする危険性があるため、絶対に避けるべきである」と書かれている。

調査回答者のうち、洗剤の誤用によって問題が生じた者の割合は25%だった。そのうち、鼻や鼻の奥に刺激を感じた人は11%、皮膚トラブルがあった人は8%、目に刺激を感じた人は8%、ふらつきやめまい、頭痛を訴えた人は8%、胃のむかつきや吐き気を感じた人は6%、呼吸が苦しくなった人は6%だった。

調査回答者は、年齢の中央値が46歳で、女性が52%を占めた。人種の内訳は、白人が63%、ヒスパニック系が16%、黒人が12%、複数人種のバックグラウンドを持つかそれ以外の人種が8%だった。

回答者は、すべての国勢調査地域にわたっており、南部在住者が38%、西部が24%、中西部が21%、北東部が18%となっている。

調査結果からは、回答者が掃除用洗剤や消毒薬を安全に用意する方法について十分な知識を持っていないことも明らかになった。

・漂白剤を希釈するときに常温の水しか使ってはいけないことを知っていた……わずか23%
・漂白剤と酢を混ぜてはいけないことを知っていた……35%
・漂白剤とアンモニアを混ぜてはいけないことを知っていた……58%

掃除用洗剤や消毒薬を取り扱う際に、PPE(個人用防護具)をどう使うかについての知識は、それより高かった。

・洗剤や消毒薬の使用時に、目を保護することが推奨されていると知っていた……64%
・洗剤や消毒薬の使用時に、手袋をつけることが推奨されていると知っていた……71%
・洗剤や消毒薬を使用したあとに手洗いが推奨されていると知っていた……68%
・洗剤や消毒薬の使用時に、適切な換気が推奨されていると知っていた……73%
・洗剤や消毒薬は、子どもの手の届かないところに保管すべきであることを知っていた……79%
・手指消毒剤は、子どもの手の届かないところに保管すべきであることを知っていた……54%

CDCは、新型コロナウイルスの感染予防として、科学的根拠に基づいた安全策を講じるよう呼びかけており、頻繁に手を洗うことや、多くの人が手を触れる物の表面を頻繁に消毒することなどを勧めている。

CDCは、洗剤や消毒薬を使用するときはラベルの説明を読み、それに従うことが重要だと強調している。たとえば、希釈するときは常温の水を使うといったことだ(ただし、ラベルに別の方法が明記されているときはこの限りではない)。

また、化学製品を混ぜて使用しないことや、皮膚や目の防護具を着用すること、適切に換気することも重要だ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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