6月9日に開示された米国顧客満足度指数(ACSI)で、昨年11月に始動したApple TV+の満足度は、競合を大きく下回る12位だった。
Apple TV+の評価は、ネットフリックスやHulu、アマゾン・プライム・ビデオ、ユーチューブなどと比べると非常に低く、比較的存在感が薄いStarzやTwitch、CBS All Accessなどにも劣っている。
一方で注目すべきは、Apple TV+の立ち上げの11日後に始動したDisney+が、昨年のランキングで首位だったネットフリックスを抑えて1位に立ったことだ。ACSIのマネージングディレクターのDavid VanAmburgは、「残念ながらアップルのApple TV+には、プラスの要素が1つも無い」と述べた。
Apple TV+は初期の段階から、顧客を引きつけるコンテンツの乏しさが指摘されていた。そして、競合のDisney+がディズニーの豊富なライブラリを活かし、アニメの名作やマーベルやピクサーの映画を武器に乗り込んできた。「スター・ウォーズ」シリーズを配信できるのも、Disney+の強みと言える。
Apple TV+の強みと言えるのは、高画質な4Kコンテンツが楽しめることだが、帯域が制限された環境では、その威力を活かせない。
コンテンツ不足に関してはアップルも自覚しているらしく、ここ数週間で同社が外部のスタジオとの新たな契約に向けて動いているとのニュースが相次いでいる。しかし、新規タイトルが投入されるまでには時間がかかりそうだ。
Apple TV+が競合と見据えるDisney+は現在、大ヒットとなったスター・ウォーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」の第2シーズンの公開に向けて準備を進めている。
アップルは今年1月にHBOの元CEOのリチャード・プレプラーとApple TV+のコンテンツ制作で5年間の独占契約を締結した。
プレプラーは、「ゲーム・オブ・スローンズ」の爆発的ヒットにより、HBOの有料チャンネル部門を飛躍的に成長させたことで知られている。Apple TV+で「ゲーム・オブ・スローンズ」の新作が独占公開されたなら、状況は大きく変わるかもしれない。