Close RECOMMEND

最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

村上臣 リンクトイン日本代表

名刺交換や、訪問による商談が当然のビジネスマナーだった数カ月前。いまや在宅勤務が主流になり、直接会うことなく「初めまして」が画面上で交わされる。

コミュニケーション方法の文化レベルでの変容は、私たちにどのような働き方を求めるのか。

全世界で6億9000万人のユーザーを誇るビジネス特化型SNS「LinkedIn(リンクトイン)」日本代表の村上臣に聞く。


アフターコロナの世界で必要になってくるビジネススキルは、大きく分けて2つあると思います。

一つ目は「オンライン根回し」による人脈づくり。旧来は、ゴルフなど同じ趣味を持っていたり、同窓の間柄だったり、飲み会によく行ったりする関係のなかで人脈が培われることが多かった。しかし、それらは必ずしもビジネスに直結しません。

ほとんどの社会人がリンクトインアカウントを持っている米国では、会社名や役職名を検索してピンポイントにオンライン上でつながり、信頼関係を作ったうえで、自分の企画や会社のサービスを提案する人が多い。言わば、オンライン上の根回しです。

営業は足で稼げ、と言われてきた時代から、オフィス内で営業が完結するインサイドセールスの流れも一気に加速する。誰とどのようにつながっているか、人脈の「質」が問われるようになる、ということです。

二つ目は「発信力」です。今後、発信力のある人が生き延びていくと思っています。社内の人同士でもミーティングを設定しなければ会話ができない状況になり、誰に何を伝えるかはより意識されるようになりました。社外に対しても同様です。市場において自分がどのようなバリューを出せるかを考えながら発信する。それができる人のもとには、自然といい人、いい情報が集まります。

こうしたポジティブサイクルを生み出せる人は、転職市場でも強い。会社の名前や肩書きよりも、その人が何を発信できるかが評価基準になる時代が来ます。インフルエンサーのようなSNS上での情報発信が、今後ビジネスパーソンにとっても必須スキルになるでしょう。

すでにユーザーは動き始めています。リンクトインが提供するオンラインラーニングの受講者数は、コロナが世界的に拡がる前の1月と比較すると3倍に増えました。リンクトイン自体のエンゲージメントも、世界全体で昨年比55%アップとなっています。

日本は黒船来航で鎖国が解かれた国。何かに迫られると急に力を発揮する国民性があると思っています。デジタルトランスフォーメーション(DX)も一気に加速するでしょう。暗いニュースが続くなか、僕はこの傾向に関してはポジティブに受け止めています。


むらかみ・しん◎1977年生まれ。青山学院大学理工学部卒業。在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。その後ヤフーの合併に伴い、2000年にヤフーに入社。一度退職した後、12年にヤフーの執行役員兼CMO(チーフ・モバイル・オフィサー)に就任。17年より現職。

文=井土亜梨沙 写真=小田駿一

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい