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こうなってくると、今夏の休暇旅行を予約するのはギャンブルのようなものだと言ってもいい。だが、EUと各国政府は域内総生産(GDP)の1割を占める観光業を救うため、人々に再び旅行するよう呼びかけている。また、航空業界も客を取り戻すのに必死になっており、格安航空(LCC)のライアンエアーやイージージェットはサマーセールの広告メールを大量に送っている。

フライト自体も非常に面倒なものになりそうだ。5月に採択されたEUの観光再開戦略によると、空港ではソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)が義務づけられるほか、検温も導入される可能性がある。その場合、利用者は出発の数時間前に空港に着いていないといけない。

EUは各国政府に機内でのソーシャルディスタンシングは求めていない(航空会社によればそうした条件では運航できないからだ)が、これは多数の人が密集した空間に置かれることになるということである。航空会社はどこも乗客にマスクの着用を義務づける見通しだが、一部の専門家が指摘するとおり、マスクをしても感染リスクが完全になくなるわけではない。

代わりに列車の旅がしたくなった人もいるかもしれない。だが、あいにくこちらも残念なニュースがある。今回の危機が始まって以来、国際列車の運行はほぼ停止しており、夏にかけてそろり再開するという状態なのだ。

鉄道業界は、列車の場合、ソーシャルディスタンシングの条件が航空機よりもずっと厳しいので、運行本数をかなり間引きすることになりそうだとしており、路線を縮小する可能性もあるという。国際運賃も通常よりはるかに高くなりそうだ。

以上のような理由から、もし今年の夏に国際旅行をするとすれば、それは何が起きるかわからず、わずらわしく、場合によっては命にも関わるような旅になってしまうだろう。政府や航空会社からせがまれても、今夏は旅行を見送る人が多いのではないか。

編集=江戸伸禎

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