ストーキング・ホースは、破産申請する際にあらかじめ売却額などについて取り決め、入札時にそれを上回る金額を提示する企業がなければ、契約を結ぶ買い手候補だ。
小売業の今後
小売業者のM&A(合併・買収)については、銀行の担当部門などが現在どのような活動をしているのかについて、さまざまなことが言われている。ある銀行家は、消費者は今後、伝統的な、高品質の製品を提供するブランドに戻ると見込んでいる。そのため、経済情勢が悪化している今は、そうしたブランドを魅力的な価格で購入できるチャンスだという。
だが、そうは考えられない。消費者は変化しており、過去のものではなく、新しいものを求めている。投資や買収を検討する者は、歴史ではなく成長と利益を求める。採算性のないレガシーブランドは、スクラップバリューで売られることになるだろう。
もちろん、生き残れないブランドや小売店に、消費者が懐かしい思い出を持っているというのは悲しいことだ。だが、嘆き悲しむ消費者に、まだその店やブランドで買い物をしているかと尋ねてみたら、彼らはどう答えるだろうか?
「いや、しばらくあの店には行っていないね」──きっとほとんどが、そう答えるだろう。