白ワインの新たな選択肢「シュナン・ブラン」 プロが勧める5銘柄

DeMorgenzonの畑


スペシャリストがお勧めする5つのワイン


1. ラーツ(Raats)オリジナル シュナン・ブラン

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「ラーツ・ファミリー・ワインズ」は、ロワール地方の主要なブドウ品種であるシュナン・ブランとカベルネ・フランにフォーカスした、南アフリカを代表する生産者だ。

このシュナン・ブランは、銘譲ワイン産地であるステレンボッシュ地区のブドウ畑をそのままボトルに詰めたような、柑橘などの新鮮な果実がストレートに表現された「ピュア」なワイン。ミネラル感を伴うキリッとした辛口で、オーク樽を使用せず、ステンレスタンクのみで醸造される。

2. ステレンラスト(Stellenrust)オールド・ブッシュ・ヴァイン シュナン・ブラン

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「ラーツ」と同じステレンボッシュ地区だが、こちらはブドウの熟度が高く、樽発酵・樽熟成によってリッチなスタイルに仕上がる。

複雑な風味を伴うリッチさゆえに、クリーミーでわずかな甘さを感じるが、シュナンならではの酸味と、このテロワールに共通したミネラル感によって引き締められる、クラシックスタイルの極上のワインだ。

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ステレンラストの畑に植わっているシュナン・ブランの古木

3. デモーゲンゾン メトード・キャップ・クラシック(DeMorgenzon MCC)

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ロワール地方と同様に、南アフリカでもシュナン・ブランからスパークリングワインも造られる。

「MCC(Methode Cap Classique)」は、シャンパーニュと同じ伝統製法で造られる、南アフリカ独自のスパークリング・ワインの呼称。シャルドネやピノ・ノワールが使われることが多いが、このワインのようにシュナン・ブラン100%のMCCも注目だ。

「朝の太陽(DeMorgenzon)」を意味する名のワイナリーは、ステレンボッシュ地区で一番に朝日を眺めることができる、標高200から400mの場所に位置する。ブドウにクラシック音楽を聞かせるという独自のコンセプトも興味深い。

ベースワインの半分は古樽で発酵・熟成を行い、澱での熟成期間は18カ月。ドザージュに使われるリキュールには、フランス産のオーク樽で発酵・熟成した、レイトハーヴェスト(遅摘み)のシュナン・ブランを使うというユニークなアプローチをとる。洗練された複雑な味わいで、きめ細かい泡立ちと長い余韻が楽しめる。

4. ローレンス スクインスカップ スティーン(Lourens Skuinskap Steen)

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ルイボスティーの産地としても有名な、シトラスダル・マウンテンのピーケニアーズクルーフ(Piekenierskloof)という小地区にひっそりとある、1977年植樹の古木のシュナン・ブランから造られるワイン。

「スクインスカップ」は、ラベルに描かれたブドウ樹の仕立て方を、「スティーン」はシュナン・ブランを意味する。

醸造家のフランコ・ローレンスが、その古木のシュナン・ブランを見事に輝かせた。

花梨や生姜のニュアンスに熟した果実味と、バランスのとれた酸味が感じられ、口に含んだときのテクスチュアが素晴らしい、ワインのプロも唸らせるクオリティの高さだ。
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文=島悠里、高橋佳子、井黒卓、写真=ワイナリー提供

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