アマゾンが外部企業を引受人とするローン提供を行うのは今回が初めてだ。また、ゴールドマンは近年、消費者向けのオンライン融資に注力しているが、その最新の動きとしても注目出来る。
CNBCの記事によるとアマゾンのマーチャントらは今後、ゴールドマンのオンライン融資・貯蓄部門「マーカス」から最大100万ドルの融資を受けられるようになる。これはリボルビング方式の貸し付けで、金利は6.99%〜20.99%の固定金利となる。
アマゾンは今回のプロジェクトを社内で“オーガスタ”というコードネームで呼び、約2年前から開発を進めてきたという。同社は以前から中小向けのローンサービスを提供してきたが、オーガスタのゴールはその規模を拡大することだったという。
CNBCによると、アマゾンは初期の段階ではオンライン金融のマーケットプレイスの設立を目指し、ゴールドマンを参加企業の1社とする計画だった。しかし、結果的にそれを断念し、ゴールドマンと独占契約を結んだという。
2016年にゴールドマンがマーカスを立ち上げた際に世間は、投資銀行の大手が、魅力の少ない個人向けサービスに乗り出したと見ていた。しかし、マーカスの貯蓄口座の預金残高は今年1月に600億ドル(約6.4兆円)を突破した。
ゴールドマンは財務ソフトウエア大手のインテュイットや、全米退職者協会(AARP)とも提携を結んだ後、昨年はアップルと共同で新型のクレジットカード「Apple Card」を発行した。
アマゾンは2012年に法人向けの融資サービス「アマゾン・レンディング」を立ち上げ、その後の数年で急拡大させたが、成長が一段落した2018年にバンク・オブ・アメリカと提携を結んでいた。