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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Getty Images

世界最大のレンタカーのチェーンで、アメリカに本拠を置くハーツ・グローバル・ホールディングス(ハーツ)が、5月22日、裁判所に連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。これでハーツは事実上、経営破綻したことになった。

アメリカでは、国を代表するような企業であるJCペニーやニーマン・マーカスなどに続き、ハーツの倒産に驚きと動揺を隠せない。

また、ハーツは破産を契機に、大量のレンタカーを市場に安価で売却するとあって、テレワークや自宅待機令で過ごす人を中心に中古車買いの熱が高まっている。

1割は安いハーツの中古車


ハーツは1918年にシカゴで生まれ、12台のモデルTフォードをレンタルするところからビジネスを始めた。約1兆円の売り上げを誇り、全世界に1万200の拠点を持ち、3万8000人の従業員を抱えていたが、今回のコロナ禍の影響で、前年比73%も売り上げが減少し、業績が急激に悪化した。

まだ約1000億円の現金を保有しており、破産申請で大きな債務免除も勝ち取り、営業は継続していく見込みだが、それでも3分の1の従業員にすでに解雇を通告している。

またハーツは、アメリカでの4万1000台とヨーロッパでの1万300台の車を一挙に中古車市場に放出するとCNNニュースは伝えている。これは約56万台のハーツが所有する車両の1割にあたるが、債権者はさらなる放出を求めるはずで、今後も多くの車が中古車市場へと流れることが見込まれる。

実際、ハーツの中古販売のウェブサイトを見にいくと、確かに良い車が安く売られている。例えば、アメリカのSUV(スポーツ用多目的車)を代表するシボレー・タホーのLTバージョンは、2019年製で走行距離3万6000マイルのものが、約390万円で売りに出されている。ほぼ同じ条件の車を、中古車査定のサイトなどで見てみると、平均420万円程度ということなので、約1割は安くなっているのがわかる(新車は約460万円から)。

ちなみにオンラインで問い合わせをすると、ハーツが当該車両を顧客の自宅まで持ってきてくれて、72時間のテストドライブをさせてくれる。そしてその後、購入を決めたら、そのまま自家用車にしてもらうという仕組みだ。もし、試乗の後、購入までには至らない場合は、ハーツはそもそもレンタカー会社であるので、レンタカー代が請求されるが、これには「特別割引価格」が適用される。

文=長野慶太

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