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エディター、ライター

不動産業を営む田中さんは、2020年3月末にはマレーシアに移住するという。もちろん、それは日本での業績が好調である証拠でもある。

「不動産の仕事は人口が増加するところでうまくいきやすいはずなので、東南アジアの市場に挑戦することを決めました。人口が減少傾向にある日本だけでビジネスをするのはリスクが高く、リスクヘッジという観点でもあります」

そんな田中さんは大学卒業後、ファンド会社に就職。不動産の証券部門に籍を置いていた。起業のきっかけは、リーマンショックによる世界的金融危機だった。

「2009年に太宰府で創業して、その後福岡市へ。そして4年半前に東京に進出しました。動機は、お金がたくさん動くところで仕事がしてみたいということ。あとはリスクヘッジですね」

“リスクヘッジ”は、リーマンショックを経験し「お金が一気に引く、地方の衰退ぶり」を肌で感じた田中さんらしい、経営のキーワードでもある。

「経営は大変なこともありますが、私は常に3つ以上の次善の策を用意しており、経営で苦労したイメージはありません」

経営が軌道に乗り、利益が安定し始めたのが5年前。その頃に購入したのがウブロの「ビッグ・バン」だった。

「その頃は、業績が好調だった時期でした。そこでものを買ったり、買って人にあげるなど、お金をどんどん使っていました。でも、これで満足しちゃダメだと気づき、それから高いものは買わないと決め、最後の買い物としてこの時計を手に入れました。それからずっと高額商品は買ってません。次に時計を買うとしたら? マレーシアで成功してからですかね」

ゴールドケースにラバーストラップのウブロは、「とてもしっくりきますし、オフの時もつけられる」ということで常に腕につけている。そしていまや、まさに田中さんのモノという感じになっている。身につけるものでは、靴も「上質なものを購入して大切に履く」という。はからずも田中さんらしい腕時計との付き合い方をしているようだ。

「不動産は、単体ではあまり意味がないと思っています。街全体に愛着を持って、みんなで計画して進めていく。そして長続きする街になることにこそ意義があると思っています」

そう聞くと、事業とモノ選びのポリシーがリンクしているかのようである。田中さんはマレーシアでどんな不動産をつくり出すのか? 数年後に見てみたいものだ。ただ、そのときお会いしたとしても、腕には同じ「ビッグ・バン」がありそうだ。

photographs by Kazuya Aoki | text by Ryoji Fukutome |edit by Tsuzumi Aoyama

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