「SAKE(酒)x NOMY(学)」日本酒を飲んで学ぶオンラインセミナー

ステイホームの期間中、売り上げを大きく伸ばしたのは酒類だ。アメリカでのアルコール飲料販売額は、3月の統計で前年比55%上昇。特にオンラインによる販売は店舗での売り上げを大きく上回り、前年比243%という驚きの結果を見せた(ニールセン調べ)。

日本国内でも4月、酒屋での消費動向は昨年比で27.9%という上げ幅。オンラインでの飲食料品小売業がやはり昨年比で57.3%上昇している(ともにJCB消費NOW調べ)ことから、オンラインで酒類を購入し、自宅で飲む人が増えていることがわかる。

このトレンドは、緊急事態宣言が解除されたいまでも大きく下降することはないだろう。“新しい生活様式”や“ニューノーマル”が標榜されるいま、酒は外で飲まずとも、自宅でゆっくり、気ままに楽しむのも悪くないと多くの人が「家飲み」指向になっているようだ。

酒飲みとしては、同好の士と会えず、話ができないのが辛いところだが、そんな不満すら解消させてくれるのが「オンライン飲み」。ZoomやGoogle Meetで友人たちと“集合”し、それぞれの顔を見ながら近況を伝えあうのは、アフターコロナにも残る新しい飲み会の在り方となるだろう。

そしてこの「オンライン飲み」をさらに進化させ、学ぶ機会ともなっているのが「SAKE(酒)x NOMY(学)」だ。中田英寿氏率いるJAPAN CRAFT SAKE COMPANYによるこのオンラインテイスティングは、人気の日本酒の酒蔵に注目し、造り手を招いて、その話を聴きながら飲むというこの画期的な試み。その第3回となった「新政」がテーマの「SAKE(酒)x NOMY(学)」に実際に参加してみた。

造り手の話を聴きながら飲む贅沢


「SAKE(酒)x NOMY(学)」とは、毎回異なる日本酒の蔵元を招いて、Zoom上で蔵元から直接、日本酒や蔵にまつわるストーリーや歴史、日本酒造りの哲学などを学びながら、その酒蔵の特別な酒を味わうというオンラインテイスティング。5月にスタートした第1回は「十四代(高木酒造)」、第2回は「而今(木屋正酒造合資会社)」……ともに大人気の酒蔵がテーマとなり、チケットは発売後即完売したのだとか。そして筆者が体験したのは「新政(新政酒造)」がテーマとなる第3回であった。


事前に送られてきた「新政」の酒3種。左から「Private Lab」シリーズの「陽乃鳥(ひのとり)」、フラッグシップである「No.6」、「Colors」シリーズの「エクリュ」。

セミナーのチケットは1万5000円で、これは日本酒(720ml)3本も含まれる。そしてセミナーにあたっては事前に、テーマとなる酒蔵の日本酒が送られてくる。日本酒ファンはご承知だろうが、人気酒蔵の酒は一般には入手できないものも多く、なかにはプレミアがつくものもあるため、これだけでうれしい。たとえばこの「新政」の回で言えば、「No.6」がラインナップしていたことに興奮したのは私だけではないだろう。
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Text by Miyako Akiyama

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