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2020.06.13 07:30

iPhoneのレンズ製造を担う台湾企業「ラーガン」の業績見通し

Photo by Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

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スマートフォンのカメラレンズのサプライヤーとして知られるのが台湾の「ラーガン・プレシジョン(大立光)」だ。同社の5月の売上は、コロナ危機による需要の低下で17%の下落となった。

5月のラーガンの売上は前年同期比23%マイナスの約1億3000万ドル(約140億円)だった。同社は3月に売上を伸ばしたが、4月の収支は赤字だった。

広報担当者によると、5月の売上の落ち込みはパンデミック後にスマホ分野のクライアントからの受注が急減したことが主要因だという。通常であれば5月は最も売上を伸ばせる月だという。

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の多くの人が自宅待機を余儀なくされ、失業率も高まった結果、消費は急減した。

調査企業カナリスは、今年第1四半期のスマホ市場がコロナ危機によって甚大なダメージを被り、世界の出荷台数は13%マイナスの2億7200万台に減少したと報告した。スマホ市場の世界トップはサムスンだが、同社の出荷台数も17%減の6000万台だった。

業界のアナリストらは、アップルのサプライヤーへの発注も大きく落ち込むと予想していた。台湾のテック系メディアDigiTimesは、ラーガンの受注の落ち込みが6月まで続く見通しだと述べている。

ラーガンは台湾人ビリオネアの2人組のスコット・リンとトニー・チェンによって1987年に設立され、現在はリンの息子のアダムとエンチョウが会社を率いている。

フォーブスのリアルタイム・ビリオネア・ランキングのデータで、リンの保有資産は現在26億ドルとされており、チェンの保有資産は21億ドルと試算されている。

今年の年末には4機種の新型iPhoneの発売が見込まれている。DigiTimesによると、ラーガンはそこに搭載される7Pレンズモジュールの80%から90%を製造する見通しで、第3四半期の売上は大きく上昇する見込みという。

ラーガンの昨年の売上の約40%は、アップルからもたらされたものだった。

同社の今年1月から5月までの売上は約7億3180万ドルで、前年同期比で9.67%のプラスだった。ラーガンの2019年の売上は20億ドルを上回っていた。

編集=上田裕資

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