ビジネス

2020.06.10

リモートワークについてテック業界が誤解していること


これらの課題は決して乗り越えられないものではありません。コロナ以前から完全にリモートワークで、大成功を収めてきたチームも存在します。

WordPressを作ったAutomatticでは、1200人の社員のほぼ全員がリモートワークで働いています。2000人の社員を抱えるGitHubも同様です。ブロックチェーン・プロジェクトの大半も同じような環境で進められています。適した会社に適したシステムがあれば可能であるのは明らかです。

しかし、ほとんどの企業にとっては、完全リモートでも完全オフィスでもない、その中間くらいに最適なバランスがあるのではないでしょうか。上に述べた成功例はいずれもオープンソース系で、もともと分散型の組織を基本としているタイプのビジネスです。多くの企業にとっては完全リモートワークの導入は難しく、理想的でもありません。

対面でのコミュニケーションでしか得られないクリエイティブな活気や信頼関係のために、クライアントと直接会わなければならない場合もあります。リモートとオフィスの両方のメリットを享受するためには、オフィスで実際に何をしているのか、改めて考える必要があります。ミーティングにしかオフィスを使わないとしたら、個人のデスクは必要でしょうか?アフターコロナの世界では「フリーアドレス」オフィスやコワーキングスペースがよりいっそう重要になるかもしれません。

今回のリモートワークへの試みをどう受け止めるかは、人によってかなり大きく異なるでしょう。

子どもがいる人なら、早くオフィスに戻って集中できる環境で仕事をしたいと思うかもしれません。内向的な人なら、人付き合いで気疲れすることのない今の生活を満喫しているかもしれません。緊急事態宣言が解除され、私たちはニューノーマルの時代に向かって動きはじめましたが、会社の業績と文化を維持しつつ多様なニーズに対応できるような「リモート」と「オフィス」のバランスを見つけることが今後の鍵となるでしょう。

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