「生理の貧困」と心の健康につながり 解決のための取り組み

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市場調査会社のワンポール・ドットコムを通し、プロクター・アンド・ギャンブルの商品オールウェイズ(Always)が実施した調査では、1000人の女性を調査した結果、生理用品が手に入らないことが健康や幸福に多大な影響を与えていたことが分かった。39%は不安と鬱(うつ)に苦しんでいると回答した。

ユー・バイ・コテックスはこの問題に取り組み、月経衛生デーを祝うため「ウィズユー・シー・キャン(With U, She Can)」と呼ばれるプログラムを始めた。

ユー・バイ・コテックスのパートナーである、コロラドカレッジのトミ・アン・ロバーツ教授(心理学)は、「私の研究からは、タンポンのような生理用品が目に見えているとき、人々は非常に否定的な判断を下すことが示されている。非常に多くの女の子や女性が生理中であることを隠すのはこれが理由だ」と述べた。「生理の貧困により、通常は隠されているものが公になることで、恥ずかしさや困惑の気持ちが増すばかりなのも不思議ではない」

生理と生理の貧困を取り巻く羞恥心は、不安をはるかに超える問題を引き起こしている。「生理に関する健康が、女性の健康や教育、仕事、幸福に影響を与えることを示唆する証拠がある。例えば、生理痛があったり、経血の漏れを心配したりしているときには、女の子は学校で勉強に集中できないものだ」と述べた。

生理用品企業インティミナ(Intimina)の婦人科医、シュリー・ダッタ博士は「生理と職場に関するデータは不足しているものの、これにより女性たちの集中力や貢献する力が影響を受け、学校や仕事を病欠してしまう場合がある」と述べている。

研究からは、生理の貧困と、生活や心の健康の質の低下の間に明確なつながりが示されている。生理の貧困に関する情報を共有すること、率直な議論を交わすことを心掛けることなどにより、生理に結びつけられたスティグマ(不名誉)を終わらせ、生理の貧困を完全に消し去ることができるだろう。

翻訳・編集=出田静

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