「生理の貧困」と心の健康につながり 解決のための取り組み

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生理と月経周期は体の物理的なプロセスかもしれないが、人間としての本質に大きな影響を与えることがある。毎月の生理と一緒に、生理前の緊張や筋肉のけいれん、気分の落ち込みを経験することがあるからだ。

5月25日から31日は月経貧困啓発週間で、5月28日は月経衛生デーだった。世界的な支援プラットフォームとして設立された月経衛生デーは、生理や「生理の貧困」が月一度の出血以上に人々に及ぼし得る影響を明らかにしようとするものだ。

「生理の貧困」とは、経済的制約により生理用品を買えない状態と定義される。多くの人は、生理用品を当然手に入る必需品と考えているが、こうした製品は安価ではない。アクションエイド(ActionAid)やフリーダムフォーガールズ(Freedom4Girls)のような慈善団体は、生理の貧困と世界中で闘うため、たゆまず働いている。

月経衛生デーはドイツの非営利団体ウォッシュ・ユナイテッド(WASH United)が2013年、「全ての女性や女の子が生理を安全・衛生的に、自信を持って恥じることなく管理できるようエンパワーし、生理ほど自然で当然なものに縛られないようにする」ことを理念として設立された。

生理用品ブランド、コテックス(Kotex)の商品であるユー・バイ・コテックス(U by Kotex)と、生理用品が必要とする人に行き渡るようにするため取り組みを行う米国の全国組織アライアンス・フォー・ピリオド・サプライズ(Alliance for Period Supplies)が実施した調査によると、収入不足によって昨年、生理用品を購入できなかった人は4人中1人に上った。

また、低収入の女性の5人に1人は、生理用品を買えないことによって仕事や学校、その他のイベントを休んだと報告していた。こうした出来事は、回答者が報告した恥ずかしさや落胆、憂鬱(ゆううつ)の感情につながっていた。生理の貧困は、自己認識や心の健康と直接的なつながりを持つのだ。

ユー・バイ・コテックスのパートナーで産科医・婦人科医のジェシカ・シェパード博士は「低収入の女の子や女性は、生理の貧困による影響を受けるリスクが最も高い」と述べ、「生理の貧困が広くまん延しているにもかかわらず、無料、あるいは減額された生理用品が手に入る地元のリソースを知っていたのは回答者中わずか4%だった。これは、生理と生理の貧困に関して一般的に議論を継続する必要性を示している」と述べた。
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翻訳・編集=出田静

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