マーク・ザッカーバーグ夫妻が設立したチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)から資金提供を受けた140人以上の科学者らが、フェイスブックに対し、投稿ルールの厳格化を求める公開声明を発表した。
6月6日、143人の科学者らがザッカーバーグ宛ての公開書簡を公開した。彼らは、フェイスブックが「略奪が始まれば銃撃が始まる」というトランプの投稿を放置したことに抗議している。これらの科学者は全て、CZIの資金提供を受けている。
彼らはトランプがフェイスブックのプラットフォームを利用して、誤った情報や扇動的なメッセージを拡散していると指摘した。さらに、有害情報の拡散により「テクノロジーを用いてよりよい社会を実現する」という彼らのミッションが妨げられたと主張している。
今回の公開書簡の発起人は、ハーバード大学医学大学院の准教授のDeborah Marksやユタ大学のJason Shepherd、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMartin Kampmannらだ。
ザッカーバーグがトランプの投稿を放置した件では、多くの社員らが異議を唱え、既に辞職を申し出たメンバーも居る。フェイスブックはこの事態を受けて、現在、投稿の掲載ポリシーの見直しを行っている。
「ファクトチェックを経ていない情報が広まることで、世間の混乱が起こり、専門家の信頼性が毀損される」と科学者らは述べている。
「ドナルド・トランプの“略奪が始まれば銃撃が始まる” という発言が、暴力的行為を誘発させるものであることは明らかだ」と彼らは主張した。
フェイスブックでは社員らによるオンライン上の抗議活動が行われ、会社の方針を公然と非難した後に辞職するエンジニアも現れた。ザッカーバーグはこの動きを受けて6月5日、投稿の掲載ポリシーを見直し、問題のある投稿にラベルづけを行うことを検討すると述べた。
「当社はこれまで問題のある投稿に関し、“掲載を続ける”もしくは“削除する”の、二者択一のスタンスをとってきたが、今後はコンテンツの取り扱いに関して、別のオプションを検討する」とザッカーバーグは述べていた。