コロナをきっかけに定住、改めて考える軽井沢の魅力と移住の課題

日本有数のリゾート地、軽井沢。東京から新幹線で約1時間というアクセスの良さと自然豊かな環境から、多くのビジネスパーソンたちに愛され、週末や余暇の時間を過ごす人気リゾート地として知られてきた。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、仕事や教育がリモート化したことをきっかけに、軽井沢は「週末に訪れる別荘地」から「定住先」として新たに注目を集めている。

実際に暮らしてみて感じる軽井沢の居住地としての魅力について、ハウスバード代表取締役の浅見清夏さんに聞いた。


──浅見さんは2020年に東京から軽井沢に移住されましたよね。移住されたきっかけを教えてください。

もともと義理のお母様の別荘というか事務所みたいなものが軽井沢にあって、たまにそこをお借りして借りていたんです。そこがすごく気に入っていたので、ここ2〜3年はずっと軽井沢に移住したいと考えていました。家族で本格的に話し合ったこともありましたが、夫も私も仕事は東京だったので、なかなかふみきれなかったんです。

ところが今回のコロナショックで仕事がフルリモートになり、これなら移住できるかもと。仕事のオンライン化をきっかけに、思い切って軽井沢に生活拠点を移しました。移住して最初の頃は、まるでネット依存症の人がスマホを失ったかのように東京生活が恋しくてたまらなかったのですが、今ではもう戻りたくないと思っています。

──もともとリゾート地や豊かな暮らしに興味があったのでしょうか。

コンサルティング会社やベンチャー・キャピタルで働いていた頃から、自然は好きでした。仕事が忙しいと自分を見失いがちなのですが、そういうときに自然豊かなところへ行くと、自分を取り戻す感覚があり、この感覚はすごく大事だなと感じていたんです。それで自然豊かな場所に別荘をもちたいと思ったのですが、購入となると資金的に難しい。

そこで別荘所有者の先輩にアドバイスを聞いてみると、別荘所有者の多くはリタイアされた高齢の方で、私たち世代は少ないんです。さらにいろんな方の話を伺っていくと、別荘を手放すときに売れなくて困ったという話をよく耳にしました。軽井沢だと話は別かもしれませんが、売り手が見つかりづらいという課題が見つかったんです。

当時は民泊が流行っていたので、使っていない別荘を民泊として貸し出せるのではと思い、2017年からに1日単位で別荘や自宅などを貸し出せるサービスを開始しました。その事業を通して別荘をもっている方との出会いが増え、お客様に別荘ライフを提案するようになり、それが私自身の移住を後押ししたという一面もあります。
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編集=谷本有香 文=伊藤みさき

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