ゲイツからスピルバーグまで コロナ禍で偉人が残した10のスピーチ

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ティム・クック(Photo by Roy Rochlin / Getty Images)

あなたの人生に影響を与える人のことを、一生懸命考えてみてください(ティム・クック/アップルCEO)

1998年にアップルに入社した時、私は自分の幸運を信じられませんでした。当時の私は、生涯をスティーブ・ジョブズの下で働くつもりでいました。

しかし、運命は突然やってきました。スティーブを失った時に感じた孤独は、私たちが人に与える影響ほど強力で永遠なものはないということを教えてくれました。

いつか今の時代を振り返り、不便だったことや退屈だったことを思い出す人は、幸運な人でしょう。今後は、より多くの人が本当の苦難と恐怖を知り、骨までその苦難が刻みこまれる人もいるはずです。

愛する人や友人に目を向けている時間こそ、あなたの人生に影響を与える人のことを一生懸命考えてみてください。

社会から無視をされたり、軽蔑されたりしながら、家族を養うため、危険を犯しながら働く移民の父親のことを想像してみてください。夜はスーパーの棚入れをして、朝はバスの運転手をしているシングルマザーのことを考えてみてください。

手と膝をついて病室を掃除している病院のスタッフたちのことを考えてみてください。彼ら、彼女たちの仕事は、寺院を浄化する高僧のように孤独で神聖なものです。

そして何より、世界レベルの教育を受けたあなたたちが、この危機が収束した時、どのように行動し、どのように働き、どのように変わっているかを想像してみてください。この期間に、本当に大切な物がどう明確になったかを胸に刻んでください。

愛する人たちの健康と幸福、地域社会の回復、そして医師からゴミ収集人に至るまで、自分のすべてを捧げている人たちの犠牲を、どうか心の中に刻んでください。

地域社会のことをこれまで以上に大切に考えて欲しい。(レブロン・ジェームズ/プロバスケットボール選手)

2020年卒業の君たちが「Stay Home(家にいましょう)」をこれ以上聞きたくないのは知っています。

だから私から「Stay Home」は言いません。伝えたいのは、「Stay close to home(家の近くにいましょう)」です。物理的にではなく、他のあらゆる方法で可能な限り考えてみて欲しいのです。

野心を追求し、大きな夢のために遠くの地点に到達をして、地域社会の再構築の責任を担うことができる最初の世代になってほしいのです。

世界は変わりました。どう世界を再構築するかは、君たちが決めることではありますが、私は地域社会のことをこれまで以上に大切に考えて欲しいと思っています。改めて、卒業おめでとう。

本当の夢は、自分から仕掛けることで見つかる。(スティーブン・スピルバーグ/映画監督)

夢は、素晴らしい試練でもあります。夢はあなたの決意の固さを試すものであり、夢物語から本当の夢を知ることもあるでしょう。

何気ないことに興奮して、それが夢に変わり、それが蒸発するように消えてなくなることもあります。本当の夢は、自分から仕掛けることで見つかるものです。そしてそれは、あなたにのしかかる、あらゆる障害を乗り越える力にもなるでしょう。

夢に働きかけることで、夢が私たちに働きかける大きなものになることもあります。

たとえどんな障害が道を阻んでも、夢を持つことがさらなる挑戦や、恐怖を乗り越えることや、前進の後押しをする力にもなるのです。
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翻訳・構成=守屋美佳

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