ゲイツからスピルバーグまで コロナ禍で偉人が残した10のスピーチ

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今年は各国で、卒業生たちが一堂に集うことが許されなかった。

アメリカでは、ビル・ゲイツ(Forbes JAPAN7月号「パンデミックVSビリオネア 変革を先導せよ」特集にも登場)などのビジネスリーダーから、昨年のFIFA女子ワールドカップでアメリカを優勝に導いたミーガン・ラピノーなどのスポーツ選手までが、卒業生へのスピーチを、バーチャルセレモニーやソーシャルメディアを通じて配信した。

世界が未曾有の危機に直面した2020年、各分野のリーダーたちは、どのような言葉で人生の門出を祝したのか。ここに、10人のスピーチを紹介したい。


新しいことに挑戦することを恐れないでください。(ビル・ゲイツ/マイクロソフト共同創業者)

このコロナ危機に触発され、疫学や健康の分野でのキャリアを考えるようになった人もいるでしょう。それは素晴らしいことではありますが、世の中に貢献する方法はそれだけではありません。

政治家は、この危機からどう立ち直るか、そしてこのようなことが二度と起こらないよう、この数年で多くの決断を迫られることになります。

あなたの声と投票権で、誰にとってもより健康で、より良い未来を創造する政策を主張することができるのです。

キャリアパスについて重要なことは、それを永遠に続ける必要はないということです。現に私も20代の時には、生涯のほとんどをソフトウェア業界で過ごすものだと思っていました。マイクロソフトを辞め、慈善活動や国際保健に携わる仕事をしている自分の姿は全く想像していなかったのです。

歳を重ねるごとに、興味やスキルは進化します。だからぜひ、変化を受け入れてください。新しいことに挑戦することを恐れないでください。

皆さんには、より健全な社会のために戦う力と投票権がある。(オプラ・ウィンフリー/実業家、慈善家)

皆さんは、バラバラになったものを元通りに戻す方法ではなく、新しく、より進化した「新しい日常」の作り方を示すことができるでしょうか?

より公正で優しく、美しく、思いやりがあり、輝かしい創造的な世界を創ることができるでしょうか?

このパンデミックは、長きにわたり、多くの人々の生活に関わるシステム上の不平等に光を当てることにもなりました。2020年卒業の皆さんには、新しい世界を創るために、行動を起こしてもらう必要があるのです。

ヘルスケアへの適切なアクセスがない貧しいコミュニティにとって、不平等とは当たり前のことです。影に隠れざるをえない移民コミュニティにとっても、 不平等とは当たり前のことです。ソーシャルディスタンスなんてとることのできない、投獄された人々にとっても、 不平等とは当たり前のことなのです。

偏見に悩まされているすべての人、アメリカに生きるすべての黒人の男女にとって、不平等とは当たり前にあるものなのです。

皆さんには、より健全な社会を作るために立ち上がり、戦う力と投票権があります。今この瞬間、皆さんはこれまで学び、心の中で感じたことを最大限に活用して、人々の苦悩を癒すためのスタート地点に立ったのです。
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翻訳・構成=守屋美佳

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