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6月に発売された『ポールは死んでいる─ビートルズがマッカートニーを失ったとき』の表紙。

ビートルズはロックンロールや1960年代のカルチャーにはなくてはならない存在だから、彼らがいない世界など想像もできない。それでいながら、彼らが音楽と社会に与えた影響があまりにも大きいせいで、もし歴史が今とは違っていたら? という仮定にも心ひかれる。

このバンドの運命がほんのわずか違っていたら、現実はどうなっていただろう?

2017年、歴史改変小説『ワンス・ゼア・ワズ・ア・ウェイ』のなかで著者のブライス・ゼイベルは、「もしビートルズが解散していなかったら?」という疑問を投げかけた。その2年後、ダニー・ボイル監督は映画『イエスタデイ』でビートルズが存在しない仮想の世界を作り出した。

そして今度は、パオロ・バロン(原作者)とエルネスト・カルボネッティ(作画)が、「もしポール・マッカートニーが死んでいたら?」という難問に挑んだ。ふたりはコミック『パンクは死なず』の作者でもある。

レコードを逆回転で聞くファンも


6月にイメージ・コミックスから発売された『Paul Is Dead(ポールは死んでいる─ビートルズがマッカートニーを失ったとき)』は、1966年11月の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディング中にポールが亡くなり、そっくりな替え玉が入れ替わったという有名な陰謀説をもとに書かれたフィクションである。


Getty Images

この「デマ」は60年代末に広まり、世界中の人々の興味をかきたてた。ファンのなかには真実を明かす隠されたメッセージがビートルズのレコードにあると考え、レコードを逆回転で聞いた人までいる。

「なにしろ私もアーネストもミュージシャンなので、音楽伝説にはとりわけ魅力を感じる。自分でも20年以上バンド活動を続けているし、ビートルズは初めてファンになったミュージシャンだ。彼らを超える存在はいまだに現れない」フォーブス・エンタテインメントのインタビューに対して、原作者のバロンはそう語る。

「『ポールは死んだ』は有名な都市伝説だが、信じる気にはなれなかった。だから笑って聞き流してきたのだが、常に関心は持っていた。いまはコミックという素晴らしいメディアの業界にいるので、これまでポール死亡説について新聞や本、ドキュメンタリーやインタビューなどを調べてきた成果を世間に発表できると思った。ちょうど、未解決事件を自分なりに調査して見解を発表するようなものだ」

翻訳・編集=小林綾子/S.K.Y.パブリッシング

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