ビジネス

2020.06.09

スニーカーから始まった「モノの株式化」の挑戦──昨年から20倍の成長、今後はアパレル展開も

モノカブ代表の濱田航平

メルカリの登場によって、世間一般に広く浸透したCtoCサービス。今や多くの人がスマホを片手に、個人間での取引を楽しんでいる。ここ数年でCtoCサービス市場が一気に盛り上がったことをきっかけに、最近の新たなトレンドとして注目を集めているのが、専門分野に特化した希少性の高い「バーティカルCtoC領域」のサービスだ。

数ある中でも成長著しいサービスとして、多くの投資家が注目しているのがスニーカー特化型CtoCマーケットプレイス「モノカブ」だ。

モノカブは「板寄せ」という証券取引所の売買成立方法を取り入れることで、入札と出品それぞれの希望販売・購入価格を擦り合わせ、その時に最適な価格での取引を可能にしてくれるサービス。また、偽物の流入を徹底排除すべく、取引ごとに専任スタッフによる鑑定を行っている点も大きな特長となっている。

先日、アメリカ発のスニーカー売買プラットフォーム「StockX(ストックエックス)」が日本語・円表記に対応したほか、カスタマーサポートを開設するなど日本上陸が話題になったが、モノカブは“日本版StockX”として2018年にリリースされた。代表の濱田航平によれば、昨年から約20倍のペースで成長を続けているという。

そんなモノカブが、成長スピードをさらに加速させるべく、新たな動きを発表した。6月9日、社外取締役としてゲームエイト代表の西尾健太郎を迎えるとともに、社名を「Brhino(ブライノ)」から「モノカブ」へ変更することを発表した。


過去に2社の創業、その後のグロースを経験。またGunosyにM&A後も過去最高益を更新してきた起業家の西尾がモノカブに参画することで、経営体制の強化を図るという。また、社名をプロダクト名と統一することで、モノカブの事業成長を加速させ、さらに信頼性および透明性の高いスニーカー取引と相場の実現に取り組んでいくという。

モノの購買におけるアンフェアな状況を変えたい


モノカブの創業は2017年12月。代表の濱田は大学卒業後、証券会社に入社。「いつかは起業したい」という思いを抱えながら営業担当として働く中で、考えついたアイデアが証券取引独特の“板寄せ”というシステムをモノの売買に応用する、というものだった。

「ECでのモノの購買は表示されている価格でしか買えず、値段交渉もできない。またフリマアプリも表示されているのは売り手の希望価格で、その価格が買い手のニーズに合致しているとは限りません。こうしたモノの購買における状況は非常にアンフェアだと思い、ここに板寄せのシステムを活用したら、問題が解決できると思ったんです」(濱田)


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文=新國翔大

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