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Photo by David L. Ryan/The Boston Globe via Getty Images

どのような高齢者介護施設が新型コロナウイルスの感染者を最も出しやすいかが、徐々にわかってきた。研究はまだ予備的な段階にあり、きわめて限られたデータをもとにしているとはいえ、気がかりな結果が出ている。施設の所在地と入居者の人種によって、大きな違いがあるというのだ。

一方で、意外な事実も判明している。施設の質(少なくとも、高齢者向け公的医療保険「メディケア」の評価で測定された質)や、低所得者向け公的医療保険「メディケイド」を受給している入居者の割合、そして施設のビジネスモデル(営利か非営利か)というポイントは、新型コロナウイルスのアウトブレイク(突発的急増)発生と、ほとんどつながりがないというのだ。

まずは、当然のことだが、新型コロナウイルスが流行している地域の高齢者施設では、入居者が感染する可能性が高い。ハーバード大学医学大学院のデイビッド・グラボウスキ(David Grabowski)と、ブラウン大学のビンセント・モル(Vince Mor)がそれぞれ実施した別個の研究から、施設の所在地と新型コロナウイルスの感染状況のあいだには、密接なつながりがあることが明らかになった。ヘルスケア誌『プロバイダー(Provider)』がその内容を的確にまとめている。

「施設の所在地」の影響力が大きい


手短かに言えば、新型コロナウイルスの流行地域にある、規模が大きめの高齢者介護施設は、集団感染が発生しやすい。なぜなら、誰かが外部からウイルスを施設に持ち込んで拡散させる機会が多いからだ。その誰かとは、施設職員や新規入居者かもしれない。または、施設への立ち入りが禁止される前であれば、訪問者の可能性もある。「施設がどこにあるかが大事なのであって、どんな施設かが重要なのではない」とグラボウスキは言う。

モルはこう話す。「人の出入りがあるかどうかということだ。―中略― 新型コロナウイルスの感染者が多い地域にある施設なら、入居者はウイルスに感染しやすくなる。―中略― 大きめの施設で、人の出入りが多ければ、誰かが新型コロナウイルスを施設外から持ち込む可能性が高くなる」

施設の所在地という要素が何よりも大きいという点については、気になる疑問点がある。新型コロナウイルスの流行が、ニューヨークやシカゴといった大都市から移動し、大都市があまりないほかの州へと移動したらどうなるのだろうか。たとえば、ミシシッピ州やアラバマ州、バージニア州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、ウェストバージニア州などでは、5月末までの1週間で、感染者が15%増となっている。

こうしたウイルス流行とともに、高齢者介護施設での流行も移動するのだろうか。それとも、施設の周辺で感染している人の絶対数が比較的少なければ、入居者は守られるのだろうか。グラボウスキは、高齢者介護施設の感染は、ウイルスの流行とともに移動していくと考えている。介護士が住む地域で流行すれば、(往々にして無症状の)彼らが、職場である施設にウイルスを持ち込むことは避けられない。少なくとも、検査が十分にかつ迅速に実施され、必要な防護具が入手できるまでではそうなるだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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