今回の調査を主導したのは香港の投資会社Deep Knowledge Ventures傘下の、企業と非営利団体のコンソーシアムであるDeep Knowledge Groupだ。
「COVID-19 safety」と題したレポートの作成にあたり、同グループは130の定量的及び定性的なパラメーターと、1万1400のデータポイント(検査や感染追跡の効率性、政府の対応や医療システムの充実度などを評価したもの)をベースに分析を行った。
ここで興味深いのは、各国の安全ランキングが数カ月の間で大幅に変化した点だ。パンデミックの初期段階で高い評価を得たのは、迅速な危機対応を行った国々だったが、現在は優れた経済回復力を示す国々がランキング上位に選ばれている。
「最新のランキングにおいては、スイスとドイツが1位と2位に選ばれた。この2ヶ国は科学的エビデンスに基づいた慎重なロックダウンの解除により、国民の健康や安全を危険にさらすことなく経済再開を進めている点で、高い評価を得ることになった」とレポートでは述べられた。
Deep Knowledge Groupが公開した、ランキングの上位10ヶ国は次の通り。
1. スイス
2. ドイツ
3. イスラエル
4. シンガポール
5. 日本
6. オーストリア
7. 中国
8. オーストラリア
9. ニュージーランド
10. 韓国
ここで注意したいのは、このランキングが特定の組織の査定をベースとしたものであり、そこで指摘されたリスクが国や地域によって大きく異なることだ。Deep Knowledge Groupによると現在、世界で最も高リスクな地域は、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南の地域と、南アメリカだという。さらに、中東やアジア太平洋地域の一部の国々も高リスク群に区分されている。
Deep Knowledge Groupは今回のレポートで、日本の長所として、人口に対する感染者数や死亡者数が比較的少ない点をあげた。また、短所としては、検査数が各国平均を大幅に下回っていることや、巨大な高齢者人口を抱える日本で感染の再拡大が起きた場合のリスクが指摘された。