新型コロナによる変化 ビジネスがより人間味あるものに

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新型コロナウイルスがまん延する前のビジネスに浸透していた、個人的なうわべだけの姿は全て失われた。在宅勤務が一部で義務化し、その他生活や働き方に大きな変化が現れたことで、同僚や従業員、上司についてはより現実的な全体像が見えるようになり、今までよりさらに深く感情的なレベルで関わるようになった。

これは良いことだ。ありのままの自分を仕事で発揮できることは、仕事に満足する上で重要な要素だからだ。また、効果的なパーソナルブランディングは偽りではなく本物らしさに根付くものだ。

ここでは、パンデミックによりビジネスが人間味を増すようになった理由を3つ紹介する。

1. 家庭での生活と仕事での生活が融合


ビデオ会議ツールのズームやスカイプ、グーグルのハングアウト、ウェブエックス(WebEx)などを使った在宅勤務で、同僚の生活をのぞき見る独特の機会が作られた。オフィスに出勤していたときには、仕事のため集められた生活のみを唯一の「自分」として見せていた。私たちは朝起きると、仕事用の服とそれに結びつけられたペルソナを着ていたのだ。

ソーシャルメディア上でも行動が見られているが、自分が公開することを選んだ一部の生活要素のみが共有されているので、多くのフィルターがかかっている場合が多い。しかし、在宅勤務でビデオカメラを使用すると、生活についてより多くのことが分かる。

英紙ガーディアンによると、ビデオ会議が大幅に増えていることで、ズーム創業者のリック・ユアンの推定純資産は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった時点から40億ドル(約4300億円)以上増えている。ビデオを使ったコミュニケーションの大幅な増加により、同僚のリビングルームなどが少し見えるようになった。私たちは、こうした部屋で同僚が実際にどのように生活しているかを見て、パートナーや子ども、ペットにも紹介されている。

ビデオは長年の間、コミュニケーションの最も顕著な形態とされてきた。ビデオの唯一の障壁はカメラに映ることの気まずさだったが、新型コロナにより、人々が安心できる範囲はかなり拡大された。同僚からの圧力と合わさり、現在では全員がカメラに映るようになっている。カメラに映るのを恥ずかしがることはもはや選択肢にはない。

2. 存続に関わる共通の脅威を通したつながり


新型コロナウイルス感染症のそもそもの性質とそこから生じる恐怖心や不安により、上司や同僚と、非常に人間的な話題を通してつながることがより簡単になっているし、それはほぼ不可欠なものとなった。

マーク・ボリノ博士は米心理学誌サイコロジー・トゥデーで「従業員が曖昧な状況に直面したときによく起きるようなうわさ話の増加やコミットメントの低下など、機能異常に陥っている状態やストレスを減らすため、上司はより透明性を意識し、最悪のシナリオについて議論する必要がある」と述べた。
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翻訳・編集=出田静

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