Close RECOMMEND

現場からの医療改革

Boy_Anupong / Getty Images

新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除された。制限付きではあるが、経済活動が再開されることとなった。

ただ、新型コロナウイルスの流行が完全におさまったわけではない。北九州市では、5月23日以降、12日間で合計124人の感染が確認されているし(6月3日現在)、6月3日にはプロ野球の読売巨人軍の2人の選手が感染していることが公表された。

東京都でも新規感染者は5月23日の2人を最少として、以後、増加傾向を示しており、6月2日には34人もの感染が確認された。

どうすれば、感染を拡大することなく、社会活動を再開できるだろう。本稿では、この問題について論じたい。大切なのはエビデンスに基づき、合理的に行動することだ。

「唾液」という単語を含む論文が急増


新型コロナウイルスは「新しい病原体」だ。その振る舞いは、まだ十分に解明されていない。世界中が実態解明に取り組んでいる。その成果が学術論文だ。

図1は世界各国の新型コロナウイルスに関する論文数を調べたものだ。


図1

トップは中国で1158報、ついでアメリカの1019報、イタリア375報、イギリス312報、フランス182報と続く。日本は56報で、韓国や台湾にも劣る。国の規模を考えれば、その数の低さは目に余る。

第一波を終え、日本では「日本型モデルを世界が賛美」などの自画自賛する論調が目立つが、実態は異なる。欧米と比べ、日本の感染者や死亡者が少なかったのは、アジアで流行した新型コロナウイルスが欧米とは遺伝子型が異なり、毒性が低かった可能性が高い。図2をご覧いただければ一目瞭然だろう。


図2

東アジアのなかでは、日本は感染者も死亡者も多い。病院や介護施設で院内感染が多発したからだ。感染力が強い欧米では院内感染が問題となったが、アジアでは日本だけだ。自画自賛している場合ではない。

文=上 昌広

VOL.429

世界の学生が不満? オンライン授業の限界

VOL.431

スウェーデンの新型コロナ対策から得るべき教...

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ