ビジネス

2020.06.08

リリースから約4年半、PR Tableが「企業版タレント名鑑」のリニューアルに踏み切ったワケ

(左から)共同創業者/代表取締役の大堀海、共同創業者/代表取締役の大堀航、共同創業者/取締役の菅原弘暁


その過程でPR Tableはパブリック・リレーションズ(PR=社会との良好な関係構築)をアップデートする取り組みとして、企業と「個」の新しい関係構築をテーマにした大規模なカンファレンスなどを開催してきた。そうした中で、企業が従業員との関係構築において課題意識が強まっていることを感じ、プロダクト名をtalentbookへとリニューアルする動きが始まったという。共同創業者で代表取締役の大堀航(兄)は、こう語る。

「少子高齢化に伴って今後、労働人口が減少していく中で企業は今いる人材の生産性をいかに高めるかが喫緊に課題になっています。そうした時代の中で、重要なのはその会社で“働く意義”を従業員に感じてもらうことです。今まで、従業員エンゲージメントは“重要度は高いけど緊急度が低いもの”として放置されていたのですが、労働人口の減少や個人の価値観の多様化に伴って、緊急度も高くなってきた。

だからこそ、これからの時代は従業員一人ひとりを“タレント”として発信していき、会社のカルチャーを社内外に浸透させるニーズがより一層高まると思い、プロダクトを企業版タレント名鑑のような方向性へと舵を切ることにしました」(大堀航)



プロダクトをリニューアルする取り組みは2019年夏頃から動き始めていたものだったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ビジネスコミュニケーションのデジタルシフトが加速していったことで、「企業は採用よりも従業員エンゲージメントの向上など“組織”に投資をする会社が増えていくのではないか」と共同創業者で取締役の菅原弘暁は語る。

「会社への求心力を高める空間として、オフィスは非常に価値があるものでした。しかし社会情勢の変化によって、リモート前提で仕事をしなければならなくなり、従業員の一体感がなくなったといった課題が頻出してきています。リモート前提で働いていく中で大事になるのは、働いている人同士の信頼関係が構築できているかどうか。その関係構築ができていれば、こうした社会情勢の変化も乗り切れるんです。オフィスという空間が使えなくなったからこそ、企業は従業員との関係構築に向き合う必要があります」(菅原)
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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