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I’m an assistant editor at Forbes covering media and entertainment.

Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic for HBO

フォーブスが今年1月に公表した「世界で最も稼ぐポッドキャスト配信者ランキング」では、スポーツ関連のポッドキャスト番組を配信する「ザ・リンガー」の創業者、ビル・シモンズが5位にランクインした。

シモンズは、人気ポッドキャスト番組「The Bill Simmons Podcast」で700万ドルを稼いだとされる。それから1ヶ月後、スポティファイは膨大な金額を支払い、ザ・リンガーを買収した。このディールでシモンズは8250万ドル(約90億円)を手にし、フォーブスの「セレブリティ100」(世界の著名人の年収ランキング)で13位にランクインした。ポッドキャスターでこのランキングに入ったのは、シモンズが初めてだ。

セレブリティ100は、セレブの興行収入からサイドビジネスまで、あらゆる収入を加味している。スポティファイは、ザ・リンガーの買収に2億ドル(約220億円)以上を支払ったとされる。

ザ・リンガーは、39のポッドキャスト番組の他、スポーツニュースのウェブサイトやHBOのドキュメンタリー「アンドレ・ザ・ジャイアント」を手掛けた映画部門を抱える。

新型コロナウイルスのパンデミックを受け、あらゆるメディアが広告収益を急減させたが、シモンズが会社を売却したのはパンデミックの直前だった。ザ・リンガーを含め、ポッドキャスト番組の大半は収益のほぼ100%を広告に依存している。

ポッドキャスト番組にとってもう1つの大きな収益源は、ライブショーだが当面は実施できない状況にある。

さらに追い打ちをかけているのが、ダウンロード数の減少だ。調査会社Podtracによると、リスナーの多くが自宅隔離しているにも関わらず、ピーク時間におけるポッドキャストのダウンロード数は3月初旬から11%も減少した。

「通勤」とポッドキャストの売上の関係


ポッドキャストが最も視聴される時間帯は通勤時間で、自宅隔離によって通勤者が減少したことが大きな要因だと考えられる。スポティファイは今年4月、広告売上が減少するという見通しを示した。しかし、同社の主な収益源は月額課金で、2019年第4四半期には広告収益の10倍に相当する19億ドルを稼いでいた。

スポティファイのCEO、ダニエル・エクは4月の業績説明会で、ポッドキャストの本当の価値はユーザーをエンゲージさせ、より多くの音楽を視聴させることにあると述べていた。

同社は、過去16ヶ月間にポッドキャスト関連のライセンス取得や買収に7億ドル以上を費やしている。先月には、昨年「世界で最も稼ぐポッドキャスト配信者ランキング」で1位に輝いたジョー・ローガンに1億ドル以上を支払い、複数年の独占契約を結んだ。ローガンは9月にスポティファイに移籍する予定だ。

アマゾンのオーディオブック配信サービス「オーディブル(Audible)」は、人気スターのTiffany Haddishやケヴィン・ハートによるポッドキャスト番組を制作中だとされる。ハートは、今年の「セレブリティ100」ランキングで84位にランクインしている。

アップルは、これまでポッドキャストで収益化を図ってこなかったが、今後はオリジナルのポッドキャスト番組を制作し、マネタイズを強化しようとしている。

編集=上田裕資

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