かつては、iPhone向けのディスプレイの生産は、サムスン・ディスプレイがほぼ一手に引き受けていた。iPhone 11シリーズのOLEDディスプレイの90%はサムスン製だった。
しかし、昨年、ティム・クックのチームはLCDパネルの製造を韓国のLGに依頼し、一部の端末のOLEDに関してもLGに発注した。これにより、サムスンの地位は脅かされることになった。
そして、韓国メディアが掲載した情報で、LGの受注量がさらに増加する見通しであることが明らかになった。韓国のテック系ニュースサイトTheElecによると、アップルが今年発売するiPhone 12シリーズ向けのOLEDパネルは、サムスンが5500万ユニット程度を製造するが、LGも最大で2000万ユニット程度を製造するという。
TheElecのKi-Jong Lee記者は次のように述べている。
「今年のiPhone 12シリーズは4モデルで構成されるが、そのうち6.1インチの12 Maxのディスプレイの製造はLGが担当する。そして、5.4 インチの12や6.1インチの12 Pro、6.7インチの12 Pro Maxはサムスン製ディスプレイを搭載する」
アップルは昨年、トライアル的にLGに製造を委託し、その結果を見て同社への発注を増やしたようだ。同社はサムスンとLGを競争関係に置くことで、ディスプレイの価格の引き下げを狙っているものと考えられる。
これは実にアップルらしい見事な戦略と言えるが、ユーザーとして気になるのは製品のクオリティだ。iPhone 12シリーズが発売になった際には、サムスンとLGのディスプレイの差をじっくりと検証してみたい。