「環境に優しい」姿勢をアピール
ニコラはさらに、同社の車両専用の燃料ステーションの整備を進めようとしている。先日はネルから3000万ドル分の機器を購入し、太陽光発電によって水から水素を発生させるプラントを建設する計画を発表した。同社はこの施設で、1日あたり40トンの水素を生み出すことを目指すという。
水素と酸素の化学反応によって発電を行う燃料電池テクノロジーは、1960年代から注目を集めるようになったが、初期の段階ではコストが高すぎ、安定的な発電は難しかった。しかし、ここ10年ほどで劇的な技術革新が進みコストも大幅に低下している。
通常、水素は天然ガスから取り出されるが、ニコラは炭素排出量を削減するために、水力や太陽光発電などの再生エネルギーのみを用いて、水素を生成している。ニコラは、米国のカリフォルニア州などの行政に対し、環境への取り組みをアピールしようとしている。
ただし、燃料電池車市場ではニコラの競合となる大手企業も多い。韓国の現代自動車や、日本のトヨタなどだ。トヨタは数年前からロサンゼルス周辺で、燃料電池トラックのテストを進めている。現代自動車は先日、韓国で初めての商用車向けの水素燃料ステーションを開設した。