新型コロナのストレス、セラピストに相談すべき?

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あなたは、家に閉じこもるようになってから、いつもより落ち込んでいるように感じているかもしれない。物事が通常通りになればその気持ちもなくなるのではないかと考えているが、それでも念のため専門家に相談すべきだろうか?

またあなたは、経済の状況について非常に不安を感じ、あまり睡眠が取れず、いつもよりイライラしているかもしれない。この状況で、それは普通のことだろうか? 誰か専門家に話すべきなのか、それとも会話療法は時間の無駄だろうか? 結局のところ、誰かと話しても経済状況は改善しないはずだ。

私は心理療法医として、このような問いと格闘する多くの人から話を聞いてきた。こうした人からは「物事が普通通りになれば、気分は改善しますよね?」と尋ねられ、安心させるよう求められることが多い。

これらは全て、世界がひっくり返ってしまったように感じる今にぴったりな問いだ。

現在の不思議な状況(半身をパジャマに身を包み、子どもたちがすぐそばで学校の課題をする中、インターネット上でビジネス会議を行っているかもしれない)を考慮すれば、あなたが感じていることは普通のことかもしれないが、誰かに話すことでストレスを管理する役に立つかもしれない。

「通常の状態」で専門家に悩みを打ち明けるべきサイン


新型コロナウイルスが登場する前の世界では、2週間以上にわたり気分や行動で悩んでいる場合はセラピーの受診を勧められることが多かった。症状により仕事や社会的生活に支障が出ている場合は、治療を受けるのが妥当かもしれない。

そのため、睡眠障害や食欲の変化、怒りやすいことは、全てセラピストの診察を受けるべき兆候かもしれない。

しかし、ロックダウン(都市封鎖)が起きている間、こうした症状が一般的に見られてきた。隔離期間中、夜更かしをして間食の量が増え、家族にいら立つことがない人はいないはずだ。

今すぐに専門家に相談した方が良いかもしれない理由


現在経験している症状や悩みが、あなたが今置かれている通常とは異なるストレスで説明できる場合でも、そのことについて誰かに話してはいけないわけではない。セラピストと今話すことで、後で本格的な心の健康問題に発展するのを予防できるかもしれない。また、現在経験している苦痛を和らげることもできる可能性がある。
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翻訳・編集=出田静

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