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boonchai wedmakawand/Getty Images

スタンフォード大学の卒業生でエンジニアのEli Pollakは、2011年から2014年にかけて米国の「Climate Corporation」で農業テクノロジー(アグリテック)の開発を手がけていた。

Climate Corporationは2013年にモンサントに10億ドル(約1087億円)で買収されたが、Pollakは同社の初期の社員として大規模農場の収穫量を増やすためのレコメンデーションエンジンの開発を行っていた。

その頃Pollakが気づいたのが、アフリカなどの一部の国では米国よりもずっと多くの種を植え付けても、収穫量が劇的に少ないことだった。そして彼は、同僚のEarl St SauverやBenjamin Ngengaと共にケニアで農業テクノロジーに特化した企業「アポロ・アグリカルチャー(Apollo Agriculture)」を設立し、小規模な農場の収益を最大化させるマシンラーニングや自動化テクノロジーの開発を始動した。

アポロ社は5月下旬のシリーズA資金調達で600万ドル(約6億5000万円)を調達した。この調達を主導したのはAnthemis Exponential Venturesで、Leaps by Bayerやオミダイア傘下のFlourish Ventures、Sage Hill Capital、To Ventures Food、Breyer Labsらも新たに出資した。さらに、既存出資元のAccion Venture Lab やNewid Capitalも出資を行った。

アポロ社のCEOとなったPollakは、「アフリカの小規模な農家は収益性を高めるための農業機器を持たず、資金調達の機会にも乏しい。彼らを支援する仕組みを整えていきたい」と述べた。

PollakとCTOを務めるSt Sauverらは2018年のフォーブスの「30アンダー30」に選出されていた。

アポロ社は小規模な農場オーナー向けにアドバイスや保険、農業機器、融資などをパッケージで提供していく。同社は650人のフィールドワーカーと契約を結んでおり、農場オーナーらが抱える課題の聞き取り調査を実施する。その後、現地調査で得たデータをシステムに取り込み、分析を加えている。

同社はマシンラーニングを活用したデータ分析によって農場オーナーの与信を行い、ローンを提供している。オーナーらはケニア国内の250カ所の農業関連の小売店で換金可能なバウチャーを受け取れる。さらに、アポロ社はオーナーらに作物の種や肥料などを与えている。

アポロ社は農作物とマイクロファイナンスの2つから利益を生み出している。同社は現在、4万人と契約を結んでいるが、そのうち2万5000人は今年に入ってから契約を結んだ人々だ。

農業ビジネスを行い、農家を支えていく上で重要なのは包括的なアプローチだとPollakは話す。

「農家にパーフェクトな種や理想的な肥料を与えても、干ばつに襲われたら対処のしようがない。天候に左右されるのは農業にとって避けられない宿命だ。そのようなリスク要因を全て受け入れた上で、成立するビジネスモデルを組み上げる必要がある」とPollakは指摘した。

ナイロビ本拠のアポロ社は現在100人以上を雇用しており、今回の資金調達によって累計の調達額は760万ドルに達した。

編集=上田裕資

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