ビジネス

2020.06.06

マスクのサブスクサービス開始の米企業、欧州にも事業拡大へ

Nodar Chernishev / EyeEm

フェイスマスクが本当に“ニューノーマル”になるのか疑問に思っていた人たちも、考えを変えるべきかもしれない。米国内でマスクのサブスクリプション・サービスを開始したばかりの衣料品メーカーが先ごろ、英国でも事業を開始。近く欧州市場に進出する計画だ。

トレコ(Trevco)が子会社「マスククラブ」を設立し、新たなサービスを開始したのは、わずか1カ月ほど前だ。同社のトレバー・ジョージ最高経営責任者(CEO)によれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で、同社も「その他の多くの企業と同様、多大な影響を受けた」という。

織物製品のライセンス生産を行うメーカーとしては大手の同社だが、「売上高が一夜にして60%減少した。およそ3週間、ただ会社を存続させようとすることしかできなかった」という。

ジョージは、「この間ずっと妻から、何かをすべきだと言われていました…そしてある日、外出を規制されていた私たちは自宅にいたのですが、妻が突然、大声でこう言いだしたのです。“あなたに何ができるか分かった”、と」

「妻にはわが社でマスクを作るのは無理だと伝えていましたが、彼女はあきらめていませんでした」

それからの4日間で、夫妻は米国でサブスクリプション・サービスを行うためのサプライチェーンの確立、大手ブランドとの提携、eコマース・サイトの作成など、すべてを行った。

このときのことについてジョージは、「人生で最もクレイジーな4日間でした。決して忘れることはありません」と語る。

もともと公式ライセンスを取得しているデザインが数千にも上ることから、新サービスはインターネット上ですぐに注目を集めた。もちろん、トレコとワーナーブラザース、ケアベア、セサミストリートなどとの関係は、従来どおりだ。

マスククラブでは、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンをデザインに取り入れたマスクや、トレンドのタイダイ柄や迷彩柄、アニマルプリントのマスクを購入することができる。
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編集=木内涼子

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