ビジネス

2020.06.16

空気が綺麗で、増えるゴミ。あらためて注目のエコ・サステナブル5社


BIOSSANCE


BIOSSANCE(バイオッサンス)は、環境への配慮と高い安全性を実現するクリーンビューティコスメブランドだ。

元々BIOSSANCEは、マラリア治療のためのテクノロジーで特許を取得したローレンス・バークレー研究所の研究者たちが立ち上げた。バイオテクノロジーのバックグラウンドが高い品質を支えている。

コスメやスキンケアに関して、アメリカ国内で使用が禁止されている成分はわずか12種類。しかもこれは1938年からアップデートされていないという。ヨーロッパが1376種類であるのに対して驚きの数値だ。

これが意味するところは、それだけ肌にも環境にも悪影響を及ぼしかねない成分が含まれてしまうリスクがあるということ。

一方、BIOSSANCEが自社製品に対して独自に定めている使用禁止成分はなんと2000種類。非常に厳しい品質基準を設けることで、人間を含め環境に配慮をしたプロダクトを開発している。


Biossance-squalane, BIOSSANCE公式HPより

そのうちの1つが、サトウキビ由来成分100%のスクワランオイル。元々スクワランは、サメの肝油から抽出されるのが一般的だ。

しかし、美容効果の高いスクワランを求めてサメの乱獲が行われたり、絶滅が叫ばれたりと、生態系に悪影響を及ぼす事例も存在する。

そこでBIOSSANCEは、強みであるバイオテクノロジーの知見を生かし、バイオマス資源としても注目されるサトウキビからスクワランを生成することに成功した。

また、製品自体だけでなく、ロジスティックスやコミュニティレベルで環境対策を徹底している。

例えば、配送ではカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロの状態)を徹底したり、森林再生プロジェクトへのサポートをしていたり。

その他、WEBサイト上で『THE CLEAN ACADEMY』というオンラインレッスンを配信し、多方面からクリーンな成分の重要性に関する啓蒙を行うなど、多岐に及ぶ活動をしている。

Veles


およそ97%が廃棄食材でできている家庭用洗剤Veles(ヴェレス)。石油化学成分など、環境にマイナスな影響を及ぼす成分は一切含まれておらず、水やアルコール、酢酸などの成分を抽出して作られている。

一般的に売られている家庭用洗剤の90%は水でできているという。これほど大部分を占めているのだから、環境に配慮した洗剤には水の使用も当然大きく関係してきそうだが、Velesは、廃棄食材から抽出した水を再活用している。そのため、水の使用も大幅にカットできているプロダクトなのだ。


VelesVeles All-purpose cleaner, VelesVeles公式HPより

また、詰め替え(近日発売予定)を購入し中身を詰め替えて使っていくため、容器のゴミも出さずに済む(アメリカは日本ほど詰め替えパックが主流ではない)。

また、この容器自体も環境に配慮されたもので、リサイクル可能なアルミニウム製だ。

原材料となる廃棄食材を調達する際には、大手廃棄物運搬業者と提携し、埋め立てられる予定の廃棄食材を彼らから直接受け取り、加工に回すことでサプライチェーンを簡素化。運搬の際のガスの排出も抑えることに成功している。

Velesが掲げる「Cleaning is closing the loop」というステートメントは、「掃除をすることは、(自分たちの環境にあるものを)循環させること」といった翻訳になる。

これは廃棄食材から成分を取り出し、洗剤として新たなプロダクトを生み出し、それもまた再生可能な有機物でできているという、資源の循環を意味している。
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文=Aoi Omori(btrax)

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