紙チケットの煩雑さを解消したい イベント運営サービス「teket」開発者の思い

イベント運営サービス「teket(テケト)」

ライブチケットの電子化、座席の管理、来場者分析などができるイベント運営サービス「teket(テケト)」。運営・開発を担当するNTTドコモの島村 奨氏が、サービス立ち上げに至った理由について語る。


私はNTTドコモの新規事業創出プログラム「39works」を利用して、ホンとイベント運営サービス「teket(テケト)」の運営および開発をおこなっています。

teketは、音楽ライブや演劇などのチケット電子化、座席の管理、来場者分析などができるサービスです。新型コロナウイルス感染拡大により、コンサートやライブそのものが開催が難しい状況となり、teketではライブ配信を電子チケット販売できる機能の追加などをおこなってきました。

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NTTドコモ 島村 奨氏

本稿ではなぜteketを立ち上げたのか、その思いを記したいと思います。

teketは自分自身が待ち望んでいたサービス


私はプライベートで10近くのアマチュアオーケストラ団体に所属しています。年間20〜30公演を行なっているのですが、どの団体・公演においても共通している課題が1つあります。それは「チケットの手売り・手渡し」に伴う時間と労力、つまりチケットに関する管理コストの問題です。

私の所属している団体の場合、だいたい1公演あたり約1000名のお客様にご来場いただくのですが、約9割は団体からの手渡しや取り置きによる紙のチケットを利用してのものです。web上のチケットサービスを利用しての一般来場者はわずか1割程度。

そして、この全体の9割を占める紙のチケットの管理コストのせいで、チケット係になった人は練習もままならないほど多忙になってしまっているというのが現状です。この大きな大きな課題を解消したかったというのが、teketを企画・開発した直接の背景になります。

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「知り合いによる直接購入はよくある話なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。実際、よくある話ではあるのですがオーケストラ団体の場合、例えば私が所属している団体の多くは団員が100名という規模感です。その100名が各々でチケットを手売り・手渡ししているので、販売状況を管理する取りまとめ役側、つまりチケット係の作業は、とにかく膨大なものになります。

100名から個別にチケット販売・取り置きについての連絡が入り、それを手作業で管理するのを少しだけ想像してみてください。これをひとりで行うので本当に大変です。

とくに大変なのが指定席の管理作業です。全席自由席であればお金と販売枚数の管理だけで済むかもしれませんが、どの席を誰に販売したか、それをきっちりやらないといけません。

チケット係の人は、よくイベント会場の座席表を印刷し、ひとつひとつ塗りつぶして管理するという超アナログ手法で極めて慎重に対応しています。やっぱり知り合いの皆さんにはできるだけ良い席で見て欲しいという希望があることも含め、指定席を間違えるわけにはいかないので。

ただ、これが既存の販売サービスでは難しい……。だからこそ立ち上げたのがteketです。
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PR TIMES STORYより

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