ビジネス

2020.06.07

中国Eコマースの祭典「618」を見据えるアリババの動き

studioEAST/Getty Images


アリババは覇権を保てるのか?


アリババの利用人口は現在7億2600万人だが、競合との差は縮まりつつある。中国経済が減速する中で、消費者はより安価なアイテムを求めており、調査企業Jefferiesはピンドォドォの売上が今年62%伸び、487億元に達すると予想する。

アリババは先日の決算発表で、パンデミック以降に人々が自宅の滞在時間を伸ばし、マスクを着用するようになったため、アパレルや化粧品の売上が低下したと述べた。しかし、その一方で生鮮食品や電気製品の売上が伸びているとも話した。

同社の幹部によると3月から4月にかけて売上は回復し、現在では昨年12月の水準まで回復しつつあるという。

Pacific Epochのアナリストは、アリババが今後、競合との戦いに向けてマーケティング費用を増やすため、短期な利益率は低下すると述べた。しかし、長期的にはアリババの覇権は続くとの見通しを示している。

ピンドォドォが直近の利益を度外視して、拡大を目指しているのに対し、アリババは強固なビジネスモデルを築いているとPacific Epochは分析した。

一方で上海の調査企業86 Researchは、高級ブランドのEコマースへの注力への流れが、今後のアリババの売上を押し上げると予測する。アリババのTモールは、ブランドが新商品を立ち上げる場として定着しており、同社は有料のプロモーション枠も提供している。

「この分野では競争が激化し、アリババがプレッシャーを受けているのは確かだ。しかし、同社のEコマース事業は中長期的には堅調な業績を維持できる見通しだ」と、86 Researchは述べている。

編集=上田裕資

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