ビジネス

2020.06.05 11:00

カフェの次はパフェ。松本龍祐がコロナ禍での新ブランド展開を語る

カンカク代表取締役の松本龍祐


自宅での“ご褒美スイーツ”や“シメパフェ”に


parfait✕parfaitは、冷凍便で自宅に届くグラス入りスイーツ。「お家でとろける夜パフェを」がコンセプトとなっており、パフェのためのお酒を効かせた特製の”ほろ酔いジュレ”がセットで届くのが最大の特徴。まずはそのままパフェを味わい、その後に特製ジュレを”あとがけ”することでほろ酔い気分が楽しめる、という。
advertisement

「夜にパフェ?」と思うかもしれないが、実は札幌では食事や飲みの締めにパフェを楽しむ「シメパフェ」がトレンドとなっているそうで、松本は「その文化がとてもユニークで面白いと感じた」と言い、札幌のシメパフェから商品のアイデアを着想したそうだ。

「飲み会などで友人や知人と食事をするときに、『これ美味しそう』とみんなの視点が集まる瞬間があると思うのですが、オンライン飲み会では食事に全くフォーカスが当たらない。だからこそ、みんなで同じものを食べる体験をオンラインでやれたら面白いと思ったんです」


advertisement

外出自粛をきっかけに広がりつつある「オンライン飲み会」での“ご褒美スイーツ”や“シメパフェ”としてみんなで食べたり、または大切な人への贈り物としてプレゼントしたりといったシーンでの利用を見込んでいるという。

「ただ、オンライン飲み会が広がったから夜パフェを開発したというわけではなくて(笑)。もともと平均気温が高くなる夏は焼菓子の売上が下がる傾向にあるので、メンバーとは以前から『何か夏用のメニューが必要だね』と話していたんです。そうした中でコロナ禍に見舞われて、在宅勤務を選択する方々も増えたので“家にいる人たちを応援できる”ものがいいのではないか、という方向性になり、普段家では食べる機会がないけれどもし食べられたら嬉しい“夜パフェ”になりました」


ほろ酔いパフェ 東京ティラミス×SAKE、ミルクストロベリー×GIN

第1弾のパフェは東京ティラミス・抹茶ティラミス・ミルクストロベリーの3種類。コロナ禍で苦しい状況の生産者を応援をすべく、東京産の厳選された素材が使われている。

「こういった状況なので、僕たちも商品開発はすべてオンラインで行いました。スタッフから冷凍便で試作品が自宅に届き、実際に食べて、レビューする。それを毎週繰り返していきながら、細かい部分を詰めていきました。オンラインでの商品開発は想像以上に大変で時間もかかりましたし、もっと打ち合わせすればよかったかなと思うこともあります。ただ、インターネットスタートアップのカルチャーとしてリスクを背負ってでもスピード感を持って取り組んでいくことが最も大切なので、素早く始動することを優先させました」

通常、スイーツの商品開発には1年ほどかかるが、カンカクでは約2カ月で商品が完成。スイーツ業界の関係者も驚いたという。今回は1度に用意できるパフェの数に限りがあるため、応援購入サービス「Makuake」で先行予約を開始しているが、今後は販売状況に応じて、夏頃を目処に独自のECサイトをオープンする予定とのこと。
次ページ > オフラインとオンラインをつなげる

文=新國翔大 人物写真=小田駿一

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事