ネクソンCEOのオーウェン・マホニーは声明で、今回の投資が「低金利環境下において余剰資金を最大限に有効活用するものである」と説明した。同社の3月31日時点でのキャッシュポジションは5180億円とされる。
「世界のエンターテインメント業界は現在、リニアからインタラクティブへの大きな転換点にある。当社はネクソンのビジョンを共有し、強力なIPを創出し長期に渡り多様なフォーマットで維持していける企業を探している」とマホニーは述べた。
東京市場に上場するネクソンは、投資先企業の詳細については公表しないと述べている。同社は昨年、スウェーデンのゲーム開発企業Embark Studiosを買収していた。
新型コロナウイルスのパンデミックを受けて景気の先行きが危ぶまれる中で、企業の間では新たな投資を控える動きが起きている。しかし、ネクソンはオンラインエンターテイメントの需要の高まりの波に乗っている。
同社は第1四半期の決算レポートで、消費者との物理的接触を伴わないビジネスモデルによってパンデミックの影響を避けられたと述べた。
ネクソンの株価は年初から60%の上昇となり、最高値を更新中だ。株価の上昇を受けて同社の創業者の金正宙(キム・ジョンジュ)の保有資産は93億ドルまで膨らんだ。フォーブスが前回、韓国の富豪ランキングを集計した際の金の保有資産は63億ドルだった。
現在52歳の金は現在、韓国で3番目の富豪で、1位はサムスン会長の李健熙(イ・ゴンヒ)、2位は製薬大手セルトリオン創業者の徐延珍(ソ・ジョンジン)となっている。
ネクソンの今年第1四半期の売上は前年同期比で11%のマイナスとなったが、予想を上回る828億円だった。同社は第2四半期の売上見通しについて、前年同期比で10%から19%プラスの590億円から640億円としている。
ネクソンは世界190ヶ国以上で60タイトルを超えるゲームを展開している。同社の最も有名なゲームとしてはPC向けの「メイプルストーリー」や「アラド戦記」、モバイル向けの「メイプルストーリーM」などがあげられる。